研究課題/領域番号 |
15H04948
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 正純 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (10335036)
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研究分担者 |
Bagarinao E. 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 特任准教授 (00443218)
森 健策 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (10293664)
前澤 聡 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90566960)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | navigation / intraoperative MRI / 3D virtual image |
研究実績の概要 |
本研究は革新的な次世代ナビゲーションシステム開発を目的としており、単にナビゲーションの枠組みから、幅広い手術支援情報の動的な記録プラットフォームへと進化させることを目指している。この中で、従来の医用診断画像データと、手術で用いられる光学画像、すなわち術野カメラ画像・顕微鏡画像などとを同一座標系で統合処理する技術の開発が本プロジェクトの中核をなしている。本技術開発は多種多様な診断画像と手術情報が有機的に結ばれることつながり、術中のナビゲーションとして、これまで提示が困難だった情報をより直感的な形で提示可能となるほか、こうした同一座標系の多層性かつ動的なデータ自体は、これを蓄積・解析することで、新たな知見の発見につながると期待される。本研究では診断画像としてfunctional MRI、Diffusion Tensor Imagingなど脳機能画像を含むMRI、CT、PETなどを使用する。術中光学情報として顕微鏡画像の他に熱画像を、また覚醒下手術における脳機能情報の利用に取り組んでいる。本年度は、昨年度に引き続き、ステレオ視すなわち、視点の異なる二つの画像から3Dモデルを生成し、これをデジタル情報とする基盤技術開発を継続した。臨床場面で用いる手術顕微鏡画像を用いた解析をすすめた。また、脳解剖・術中画像情報・脳腫瘍・脳機能・頭蓋底病変など臨床上求められる技術の具体的な側面に関連する情報を広く収集するとともに、世界の関連技術の動向を調査した。また、臨床例における熱画像情報取得、解析を行った。また頭蓋底外科手術症例を中心に3D Virtual画像の画像生成・集積を行い、臨床上の有用性について検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
診断画像・光学画像統合技術開発について、ファントムを用いて視差画像を利用した技術開発を行った。また、これに引き続いて実際の手術で使用される手術顕微鏡を用いた臨床画像を収集し解析をすすめた。脳機能画像を含む診断画像の収集・解析、および電気生理学的データの収集・解析は順調に進行した。また本年度は熱画像についても臨床例における画像収集・解析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では特に臨床場面における脳変形の問題、光学系プロファイルによる空間的歪み補正の問題など、主として精度面でさらなる向上が求められる。引き続き診断画像・光学画像統合技術開発をすすめる。一方で、複数の光学画像モダリティー技術開発、画像提示技術開発をさらに発展させる。なかでも、光学画像の代表として光線力学診断・療法への応用につき、本プロジェクト内でも基礎的実験を含めて検討し、統合画像の生成を目指す。
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