研究課題/領域番号 |
15H04949
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
野崎 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252452)
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研究分担者 |
横井 俊浩 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20573182)
椎野 顯彦 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 准教授 (50215935)
中村 紳一朗 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 准教授 (50307980)
地藤 純哉 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50534161)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳動脈瘤 / 動物モデル / マクロファージ / プロスタグランジン |
研究実績の概要 |
くも膜下出血の多くは脳動脈瘤破裂により発症し予後不良であるが、脳動脈瘤が発生増大し破裂に至る分子機構は未だ十分には解明されておらず、外科治療が行われている。外科治療のリスクを考慮すると非外科的治療の開発が望まれるが、有効な薬物治療は存在しない。本研究は、われわれが先に開発した脳動脈瘤モデル(マウス、ラット、サル)を用い、脳動脈瘤発生増大破裂の分子機構を主に炎症カスケードに関与する因子につき、遺伝子、蛋白レベルで解析し、生体内細胞分子イメージング追跡を用いて明らかにし、解明された分子機構を用いた脳動脈瘤の発生増大破裂に対する新規薬物治療法を確立することを目標としている。先に開発した血行力学的ストレス誘発による脳動脈瘤モデルラットでは誘発率は高いが破裂率はわずか数%である。本年度においてラットモデルにおいて破裂率を上昇させる方法を確立した。またラットモデルで重要性が証明されているマクロファージの浸潤につき画像化の可能性を検討し、可視化することに成功した。昨年度、従来のサルモデル(Hashimoto N et al J Neurosurg 67:903-905,1987)では脳動脈瘤誘発率が低いことが確認されたため、現在、誘発率を上げるための条件設定を行い、数匹のサルにおいて画像追跡を行い、一部の個体において脳動脈瘤の確認を行った。さらに、マクロファージイメージングのための新たな造影剤の開発を進めている。因子解析では脳動脈瘤誘発における機構としてプロスタグランジン系のautocrine loopの存在を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サルモデルの開発において若干の遅れが見られるものの、ラットモデルにおける解析が順調に進んでおり、数編の英語論文発表を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
ラットモデルにおける解析を進めるとともに薬物による脳動脈瘤抑制効果のみならず脳動脈瘤破裂予防効果についても検証する。サルモデルにおいては組織学的検討を行い、一部の薬剤による組織学的効果の検討を行ってきたが、脳動脈瘤誘発条件を強化し新たな誘発モデルとして確立する。各動物におけるイメージング機種として、MRのみならずCTなど他のモダリテイを活用する。
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