滑膜間葉系幹細胞を用いた再生医療をより多くのヒトに提供するためには、同種異系(アロ)滑膜間葉系幹細胞の安全性を検証し、臨床応用の可能性を検討する必要がある。今回、私たちは、前十字靱帯再建術を受ける患者の関節液に含まれるCD141+DCが滑膜由来であり、ネクローシスを起こしたアロ滑膜間葉系幹細胞を取り込むこと明らかにした。さらに、CD141+DCと生細胞あるいは死細胞との共培養の系を用いてT細胞増殖とサイトカイン産生が異なることを示した。これらの結果は、樹状細胞の死細胞貪食によるT細胞活性化ならびに生細胞による抑制のメカニズム解明に役立つと考えられた。
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