研究課題/領域番号 |
15H04954
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
長谷川 幸治 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (50208500)
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研究分担者 |
今釜 史郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40467288)
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60378198)
八田 武志 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (80030469)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 運動機能評価 / 縦断研究 / 高次脳機能評価 / 運動介入方法 / 変形性膝関節症 / 認知症 |
研究実績の概要 |
認知機能と運動機能の関連を検討した。高次脳機能では①注意力一文字消去のD-CAT1,注意力は同様に3文字消去のD-CAT3、②理論的記憶、③文字流暢性、カテゴリー流暢性について調査した。運動機能検査は①10m歩行速度(走らないで最速で歩く速度)、②最大歩幅(右、左)またげる最大歩幅、③40㎝台昇降テスト、ロコモ検査(④2ステップテスト、⑤40㎝踏み台テスト、⑥TUG=time up-and go testを行った。②転倒と関連する固有感覚受容について予備的研究を行った。転倒手帳を住民に配布して記録した。③スウエーデン・ルンド大学のDahlberg教授のもとで転倒予防、変形性膝関節症、変形性股関節症に対するWebを介した保存的運動療法の試験的検討を行った。結果は年齢を65歳未満100例、65歳以上96例の2群で検討した。相関分析では65歳未満群は運動機能と相関はなかった。65歳以上群は注意力D-CAT1はTUG、10m歩行速度と相関。D-CAT3はTUG、10m歩行速度と相関した。文字流暢性はTUGと相関した。カテゴリー流暢性は最大歩幅左、TUG、10m歩行速度と相関した。重回帰分析では目的変数を認知機能として説明変数を運動機能とし年齢、教育歴、性別による補正をおこなった。注意機能D-CAT1は65歳未満ではTUGが有意に関連した。65歳以上群は運動機能と関連がなかった。D-CAT3は65歳未満も65歳以上も運動機能と関連がなかった。論理的記憶は65歳未満も65歳以上も運動機能と関連がなかった。文字流暢性は65歳未満群は両脚立ち上がり、65歳以上群で最大歩幅右の関連が有意であった。カテゴリー流暢性(動物の名前など)は65歳未満群では運動と関連がなかった。65歳以上群では最大歩幅右が年齢、性別、教育を補正しても有意に関連した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
運動機能・認知機能の15年以上の長期縦断研究はおおむね完成誠ている。運動機能介入についてはさらにデータを集積している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は長期縦断研究の完成(変形性膝関節症の臨床・レントゲン評価、変形性脊椎症の臨床レントゲン評価)をおこなう。 運動介入方法についてはWebを介した保存療法をスウエーデンと共同研究している。本年度中に日本語での介入プログラムを完成予定である。
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備考 |
Webを利用した有痛性運動器疾患(変形性膝関節症、腰痛症、変形性股関節症)の運動療法の開発をDahlberg教授と共同研究中である。
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