研究課題
四肢間葉系細胞特異的Uhrf1KO(Uhrf1ΔLimb/ΔLimb)マウス(以下cKO)の外観は四肢長が明らかに短く、関節部位での変形を呈していた。軟X線ではcKO群の四肢長管骨長がControl群に比べ、約31~40%の短縮を認めた。また、組織学的解析ではcKO群の成長軟骨板細胞の柱状配列に乱れを認め、有意な増殖軟骨の面積の減少および肥大軟骨の幅の増加を認めた。さらに、初代培養軟骨細胞を用いた解析においてcKO由来の軟骨細胞では、細胞増殖能の低下とともに分化誘導した際の軟骨基質産生の著明な低下を認めた。軟骨分化マーカーは、Sox9の発現に差を認めないものの、cKO群では、比較的早期の分化マーカーであるCol2a1、Col11a1には発現低下傾向を認めた。一方で、後期分化マーカーであるCol10、Runx2には発現上昇傾向、さらにMmp13には有意な発現上昇がみられた。このことから、Uhrf1遺伝子欠損により軟骨細胞分化が促進され、成長軟骨板における肥大化が進行し、その結果、長管骨長の短縮を認めたと考えられた。さらにRNA-seqの結果からUhrf1KOの軟骨細胞とすでに報告がある造血幹細胞の遺伝子発現変動を比較すると、共通して発現上昇を示したのはわずかに13遺伝子のみであった。RNA-seqとMBD-seqを用いた統合解析を行ったところ、cKO群では発現上昇を認める28遺伝子のプロモーター領域におけるDNAメチル化の減少がみられた。中でもIL-1関連遺伝子であり、軟骨細胞分化に影響を与えることが知られているHspb1に着目し、cKOの軟骨細胞に対しHspb1ノックダウンを行なったところ、Mmp13などの軟骨細胞分化に関与する遺伝子発現異常が救済された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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