研究課題/領域番号 |
15H04964
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
末原 義之 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70509405)
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研究分担者 |
小林 英介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (40365292)
北野 滋久 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (60402682)
齋藤 剛 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80439736)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 骨軟部腫瘍 / プロテオミクス / 遺伝子変異 / 免疫応答 |
研究実績の概要 |
本研究は、難治性かつ「希少癌」である骨軟部腫瘍の生命予後の改善を目的として、治療成績向上の要となる腫瘍発生・悪性化・治療抵抗の原因因子を特定し、その結果に基づいた新規バイオマーカーや治療標的の開発を進める。特徴として、(1)組織型特異的融合遺伝子のタンパク質発現プロファイリングによる腫瘍発生・悪性化の鍵因子の解明、(2)骨軟部腫瘍検体を用いた免疫応答解析による免疫担当細胞プロファイリングならびに免疫応答の側面より発生・悪性化・抵抗性の因子の同定、また独自手法で(3) チロシンキナーゼ(TK)阻害剤が奏効するTK遺伝子変異の探索を実施し、その成果に基づいたTK阻害剤の適応拡大による迅速な新規分子標的治療法を確立する。以上の3テーマを順次達成し、早期骨軟部腫瘍の予後改善に向けた臨床医学の基盤を構築する。本年度は、(1) 融合遺伝子のタンパク質発現解析として、昨年に引き続き、各種組織型特異的融合遺伝子の発現解析データベースを構築し、特にユーイング肉腫の腫瘍の悪性化・抵抗性因子を明らかにした。また、ユーイング肉腫のXBP1が悪性度に関与していることを発見し、XBP1阻害剤を用いたin vitro, in vivo実験を進めその関連の証明と新たなユーイング肉腫肉腫の治療法の可能性提示に成功した。(2)骨軟部腫瘍の免疫応答解析は、主に患者血液に対して免疫応答解析を行い、免疫担当細胞のプロファイリングを構築に成功し、腫瘍の悪性化・抵抗性因子に関与する因子同定し、臨床病理データを用いた検証を行った。(3)骨軟部腫瘍の TK遺伝子変異探索としての主にTK遺伝子変異とTKドメイン発現のプロファイリングを行い、小児軟部肉腫にNTRK1融合遺伝子の同定に成功た。その患者にSingle patinet protocalとして阻害剤であるLOXO-101の投与を行い著効を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、(1) 融合遺伝子のタンパク質発現解析として、昨年に引き続き、各種組織型特異的融合遺伝子の発現解析データベースを構築し、特にユーイング肉腫の腫瘍の悪性化・抵抗性因子を明らかにした。また、ユーイング肉腫のXBP1が悪性度に関与していることを発見し、XBP1阻害剤を用いたin vitro, in vivo実験を進めその関連の証明と新たなユーイング肉腫肉腫の治療法の可能性提示に成功しため順調に計画は進んでいる。(2)骨軟部腫瘍の免疫応答解析は、主に患者血液に対して免疫応答解析を行い、免疫担当細胞のプロファイリングを構築に成功し、腫瘍の悪性化・抵抗性因子に関与する因子同定し、臨床病理データを用いた検証を行ったため順調に計画は進んでいる。(3)骨軟部腫瘍の TK遺伝子変異探索としての主にTK遺伝子変異とTKドメイン発現のプロファイリングを行い、小児軟部肉腫にNTRK1融合遺伝子の同定に成功したため順調に計画は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、(1) 融合遺伝子のタンパク質発現解析として、引き続き各種組織型特異的融合遺伝子の発現解析データベースの整備を進め、特に横紋筋肉腫、滑膜肉腫の腫瘍の悪性化・抵抗性因子を明らかにし、その機能解析を進める。(2)骨軟部腫瘍の免疫応答解析は、引き続き患者血液に対して免疫応答解析を進め、免疫担当細胞のプロファイリングを構築・整備を進め、腫瘍の悪性化・抵抗性因子に関与する因子同定し、更なるバイオマーカー及び治療標的の開発を進める。(3)骨軟部腫瘍の TK遺伝子変異探索として、引き続き主にTK遺伝子変異とTKドメイン発現のプロファイリングを行い、特に阻害剤があるNTRK, ROS, RET, ALK融合遺伝子などを中心に研究を進める。
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