研究課題/領域番号 |
15H04967
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
磯野 史朗 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (80212968)
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研究分担者 |
石川 輝彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (30272305)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 周術期管理 / 呼吸管理 / 覚醒 |
研究実績の概要 |
研究1の『手術侵襲と解剖学的上気道閉塞性変化』は、研究デザインの最終確認が終了し、倫理委員会申請を行う準備が整ったので、研究を速やかに開始できる状況になった。 研究2の『呼吸刺激が覚醒抜管過程における呼吸・循環・意識レベルに与える影響』は、予定対象患者数50名に対して、現在までに、16名の研究登録がなされ15名で研究が終了し、いずれの群でも安全に研究継続可能な研究計画であることが確認できている。高炭酸ガス血症群に割り付けられた1名は、麻酔薬投与中止前に頻脈に伴う軽度ST低下のため除外症例とした。高炭酸ガス血症群(n=6)では、主要評価項目である覚醒時間(デスフルラン投与中止から完全覚醒(自発開眼または開口命令への応答)までの時間)は6.7±5.1分、正常炭酸ガス血症群(n=9)では、9.8±2.8分であり、現時点では統計学的な有意差はないが高炭酸ガス群で覚醒が早くなる傾向を認めている(P=0.151)。副次評価項目は未解析であるが、覚醒過程及び術後の呼吸・循環動態が安定していないことを示唆する呼吸・循環イベント(Critical Cardio-Respiratory Events: CCRE 喉頭刺激反射、不規則な呼吸、頻呼吸、徐呼吸、無呼吸、低呼吸、高血圧、低血圧、頻脈、徐脈、2%以上のSpO2低下)頻度が高炭酸ガス群で少ない傾向を確認できている。更に興味深いことに、ブリディオン投与後のBIS値増加など本研究成果を将来的にさらに発展させる方向性を示唆させる結果も得られている。最終年度である今年度中に予定症例数を終了するため、本年度は研究協力者数を増加させる予定である。最終的な結論は主要評価項目の最終評価を待たなければならないが、研究推進・完了のための実績を上げることができていると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1の最終的な研究デザイン決定に時間を要し、倫理委員会の承認取得が遅れたため、研究開始が遅れている。研究2は、症例数を増やしているところではあるが、症例数増加が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究1に関しては、倫理委員会提出書類が整ったので、予定症例数も少ないことから今年度中の終了が期待できる。研究2に関しては、研究協力者となる大学院生が本研究に参加可能となったため、今年度中に予定症例数を終了できる見込みである。
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