研究課題/領域番号 |
15H04975
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
馬場 理也 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (10347304)
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研究分担者 |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00260787)
江藤 正俊 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90315078)
長嶋 洋治 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10217995)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腎がん / 多段階発癌 / フォワードジェネティクス / マウスモデル / BHD症候群 / FLCN / 転座腎がん |
研究実績の概要 |
本研究では腎癌における多段階発癌機構を解明し、腎癌の本態の理解とそれに基づく革新的治療法開発の基盤形成を目指す。申請者が作製した腎癌モデルマウスに、コンディショナル・トランスポゾンシステムによる遺伝子変異導入手法を応用し、フォワードジェネティクスを行う。マウスモデルで得られるデータをヒト臨床検体で検証し、マウスモデルや細胞培養の系に反映させ、相互にフィードバックさせながら以下を目的に研究を進める。 1) 癌抑制遺伝子Flcn(BHD症候群の原因遺伝子)の欠損、又は癌遺伝子PRCC-TFE3 (転座腎癌の原因遺伝子)の発現に加えて、腎癌の発生・進展・悪性転化に関与する遺伝子の候補をマウスモデルで同定する。 2) マウスモデルで同定した多段階発癌関連遺伝子の変異と発現を、ヒト腎癌臨床検体で解析する。 3) 腎癌多段階発癌関連遺伝子が、腎癌の発生・進展・悪性化に関わる分子機構を解明し、革新的治療法開発の基盤を形成する。 27年度はトランスポゾン(T2Onc3)トランスジェニックマウスと、Cre 依存的にトランスポセースを発現するノックインマウス(Rosa lsl-SBase)を導入し、Flcnコンディショナルノックアウトマウス(Flcn flox/flox)並びに腎臓特異的にクレ組み換え酵素を発現するトランスジェニックマウス(Cadherin16-Cre-ERT)との交配を進めた。癌遺伝子PRCC-TFE3に関しても同様に、腎臓特異的にPRCC-TFE3を発現するマウス(Rosa lsl -PRCC-TFE3, Cadherin16-Cre)とT2Onc3マウス、Rosa lsl-SBaseマウスとの交配を進めた。交配は順調に進んでおり、28年度には目的とするコホートが得られる見込みである。並行して腎癌臨床検体の収集も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的とする遺伝子改変マウスの作製が順調に進んでいる。また、腎癌臨床検体の収集・解析も順調に進んでいる。PRCC-TFE3マウスモデルやBHD症候群に関して新たな知見を得て、学会発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
作製した遺伝子改変マウスの観察・解析を計画通りに進める。臨床検体の収集・解析を継続して行う。
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