| 研究課題/領域番号 |
15H04991
|
|---|
| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
|---|
研究代表者 |
藤岡 正人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70398626)
|
|---|
| 研究分担者 |
小川 郁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00169179)
水足 邦雄 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医師 (40338140)
原田 竜彦 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60238186)
岡野 ジェイムス洋尚 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90338020)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| キーワード | 再生医療 / 内耳再生 / ヒトiPS細胞 / iPS創薬スクリーニング / マーモセット / 霊長類モデル / 橋渡し研究 |
|---|
| 研究実績の概要 |
自発的再生能を持たないと言われてきた末梢聴覚器の蝸牛感覚上皮において、我々は薬剤による有毛細胞再生と聴力改善を世界に先駆けて報告してきた（Neuron2013）。この”内耳再生医療”の臨床応用に向け、我々は並行して①ヒト人工多能性幹細胞(hiPS細胞)を用いた人工感覚上皮の試験管内での構築と②小型霊長類コモンマーモセットによる包括的かつ横断的な霊長類難聴モデルを樹立してきた。この①②を駆使して、蝸牛有毛細胞分化誘導剤の誘導体の薬剤スクリーニングと、霊長類での内耳再生医療の効果を検討することが本研究の目的である。本年度の実績を以下に記す：
１）本年度の研究から、前述のNeuron誌に掲載された作用機序での有毛細胞分化誘導剤として計３化合物を選択した。これらは安全性などの面からも臨床試験への橋渡しが可能な、いわゆる"drugable"な薬剤である。この研究は平成２８年度も引き続き行う。
２）小型霊長類コモンマーモセットによる包括的かつ横断的な霊長類難聴モデルを樹立するステップとして、聴力測定（耳音響反射、全身麻酔下での聴性脳幹反応測定）法、SPF環境でのマーモセット飼育施設に加え、全身麻酔下でのプローブおよびオープンフィールドによる音響外傷モデルの樹立を行い、一過性閾値上昇モデルを作成した。さらに全身麻酔下での耳後切開による正円窓窩への薬剤投与法、外側半規管経由での薬剤投与法、蝸牛基底回転外側壁経由での薬剤投与法について手術手技を確立した。平成２８年度は恒久的閾値上昇モデルの作成から行い、薬剤投与の効果も検討する予定である。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マーモセット個体の購入元である日本クレア社からの個体搬入数と搬入ペースが遅れており、実験の進行が遅れている（多くの施設でマーモセットを用いるようになり、その需要に対して供給が追いついていないため）。
|
| 今後の研究の推進方策 |
個体搬入の遅れから実験数が制限されているが、コンスタントに結果は出ている。引き続き可能な限りのペースで、まずは音響外傷恒久的閾値上昇モデルの確立から行う。
|
