研究課題
昨年度の研究成果により、動物の実験近視モデルにおいて、後部強膜に沿って移植したヒト由来の線維芽細胞がin situでコラーゲンを産生し、移植細胞が排除された後にも、新たに産生されたコラーゲンが局所に残存し、後部強膜を補強できていることを確認することができた。さらに、後部強膜の肥厚に伴い、線維芽細胞の移植をしていない実験近視眼に比較して、約40%近視の進行を抑制できることを、屈折度測定および眼軸長測定により明らかになった。今後はさらに実験近視動物モデルの数、および経過観察期間を増やし、上記効果の再現性及び長期成績を明らかにする予定である。また、ヒト強度近視患者への臨床応用に向け、プロトタイプのスキャン長20 mm、スキャン深度5 mmの超広角光干渉断層計(OCT)を用い、過去に3D MRIによる眼球形状解析を施行された症例に対し、広角OCTによる検査を施行し、治療適応となる患者の早期診断に向けての広角OCTの有効性について解析を進めている。ラット実験近視モデルが確立でき、後部強膜に沿ったヒト線維芽細胞の移植後に細胞が生着し、局所で産生されたコラーゲンが細胞消失後にも残り、成熟したコラーゲン線維が観察できたことから、今年度はさらに上記の細胞治療が近視化の抑制に有効であるかを検討し、ヒトでの臨床応用へと進める。研究を推進するために、ヒトへの臨床応用において、対象となる強膜菲薄化のみられる病的近視眼を的確に同定することが重要となる。従来3D MRIにより対象患者の同定を進めてきたが、近年の広角OCT技術の進歩により、preliminaryな検討において非侵襲的に短時間で外来で強膜菲薄化を同定できることがわかってきた。そこでこのOCTを本研究に用いることにより、3D MRIの撮影および画像の構築にかかる時間を大きく短縮し、研究を推進したいと考えている。
2: おおむね順調に進展している
動物の実験近視モデルにおいて、後部強膜に沿って移植したヒト由来の線維芽細胞がin situでコラーゲンを産生し、移植細胞が排除された後にも、新たに産生されたコラーゲンが局所に残存し、後部強膜を補強できていることを確認することができた。さらに、後部強膜の肥厚に伴い、線維芽細胞の移植をしていない実験近視眼に比較して、約40%近視の進行を抑制できることを、屈折度測定および眼軸長測定により明らかになった。今後はさらに実験近視動物モデルの数、および経過観察期間を増やし、上記効果の再現性及び長期成績を明らかにする予定である。また、ヒト強度近視患者への臨床応用に向け、プロトタイプのスキャン長20 mm、スキャン深度5 mmの超広角光干渉断層計(OCT)を用い、過去に3D MRIによる眼球形状解析を施行された症例に対し、広角OCTによる検査を施行し、治療適応となる患者の早期診断に向けての広角OCTの有効性について解析を進めている。
ラット実験近視モデルが確立でき、後部強膜に沿ったヒト線維芽細胞の移植後に細胞が生着し、局所で産生されたコラーゲンが細胞消失後にも残り、成熟したコラーゲン線維が観察できたことから、今年度はさらに上記の細胞治療が近視化の抑制に有効であるかを検討し、ヒトでの臨床応用へと進める。研究を推進するために、ヒトへの臨床応用において、対象となる強膜菲薄化のみられる病的近視眼を的確に同定することが重要となる。従来3D MRIにより対象患者の同定を進めてきたが、近年の広角OCT技術の進歩により、preliminaryな検討において非侵襲的に短時間で外来で強膜菲薄化を同定できることがわかってきた。そこでこのOCTを本研究に用いることにより、3D MRIの撮影および画像の構築にかかる時間を大きく短縮し、研究を推進したいと考えている。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 11件、 査読あり 18件、 謝辞記載あり 18件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (29件) (うち国際学会 15件、 招待講演 20件)
British Journal of Ophthalmology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1136/bjophthalmol-2016-309877
Retina
巻: 37 ページ: 477-486
10.1097/IAE.0000000000001327
Investigative Ophthalmology & Visual Science
巻: 58 ページ: 901-906
10.1167/iovs.16-20652
Acta Ophthalmologica
巻: 95 ページ: e22-e28
10.1111/aos.13188
Journal of Glaucoma
巻: 26 ページ: 187-193
10.1097/IJG.0000000000000574
Graefe's Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology
巻: 255 ページ: 237-242
10.1007/s00417-016-3439-2
巻: 37 ページ: 299-304
10.1097/IAE.0000000000001165
Journal of Tissue Engineering and Regenerative Medicine
10.1002/term.2275
Asia-Pacific Academy of Ophthalmology
巻: 5 ページ: 415-423
10.1097/APO.0000000000000230
Cornea
巻: 35 ページ: 1333-1337
10.1097/ICO.0000000000000854
10.1097/IAE.0000000000001348
10.1097/IAE.0000000000001313
巻: 36 ページ: 1573-1578
0.1097/IAE.0000000000000956
Ophthalmology
巻: 123 ページ: 1783-1787
10.1016/j.ophtha.2016.04.029
American Journal of Ophthalmology
巻: 169 ページ: 138-144
10.1016/j.ajo.2016.06.033
PLoS One
巻: 11 ページ: e0154554
10.1371/journal.pone.0154554
巻: 166 ページ: 22-28
10.1016/j.ajo.2016.03.019
巻: 164 ページ: 69-79
10.1016/j.ajo.2016.01.005