脂肪組織中に含まれる脂肪幹細胞や血管内皮前駆細胞を介した組織再生効果は、瘢痕拘縮組織、慢性萎縮性疾患など様々な難治性疾患の質的・機能的改善にもその適応が広がりつつある。マウス背部皮膚へ異なる照射条件で照射して、皮膚皮下組織を採取してその影響を分析するとともに、皮膚欠損を作製して、創傷治癒への影響を確認した。結果として、放射線照射群においては非照射群と比して、明らかな創治癒遅延を認めた。また、放射線照射群においては、総線量が同値でも1回照射量が異なると、創傷治癒期間に大きな差が出た。幹細胞、脂肪移植、結合組織砕片を注入した治療群では有意に治癒が促進された。
|