周術期好中球細胞外トラップ形成の指標として、血清遊離二重鎖DNA濃度を測定したところ、心臓血管手術では、術直後に有意な上昇が認められ、手術翌日まで漸減していく傾向が認められた。術後の炎症が遷延する患者では、このクリアランスが遅延する傾向が認められ、手術翌日の血清二重鎖DNA濃度が、手術翌日における血清クレアチニン値の上昇度と良好な相関が認められた。 一方、呼吸器外科手術では、血清二重鎖DNA濃度手術翌日にかけて、有意な上昇が認められるたが、この血清遊離二重鎖DNA濃度の上昇と、血清クレアチニン濃度の上昇度や、IL6濃度との間では有意な相関は認められなかった。今後の更なる見当が期待される。
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