研究分担者 |
竹川 良介 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30759577)
酒井 智彦 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (50456985)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
吉矢 和久 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40379201)
松本 直也 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (50359808)
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
廣瀬 智也 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70597509)
大西 光雄 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (70597830)
田崎 修 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (90346221)
射場 治郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40570536)
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研究実績の概要 |
2013年5月から大阪市消防局の救急隊員が、我々が独自に開発した携帯型脳酸素飽和度(rSO2)測定装置(HAND ai TOS)を用いて、心肺停止患者におけるrSO2連続測定を現場から開始した。2018年3月時点で67例のデータが得られている。心肺蘇生中のrSO2推移のパターンを①上昇31例、②プラトー31例、③下降5例、の3通りに大別した。結果は、2017年米国心臓学会議で発表し、国際蘇生連絡委員会のメンバーから大絶賛を得た。 2017年5月の日本臨床救急医学会で、心肺停止状態ではないがSpO2が正確な値を表示できない重症呼吸不全患者に対して、rSO2測定が病態把握に非常に有用であったことを報告した。2017年4月よりSpO2が測定不能である患者に対してrSO2測定の有用性を検討する研究を開始した。1年間の対象症例は、全搬送人員188,137人、CPAを除く重症患者3,965人、SpO2が測定不能であった患者は491人であった。そのうちrSO2測定が行えた症例は18人であった。rSO2測定を行った患者は全例で測定開始後速やかに測定結果が得られ、連続測定可能であった。rSO2測定は呼吸・循環に問題がある患者の、脳の危機的状況をどんなモニターよりも素早く簡単に評価できる可能性が高いと考えられた。 我々は、今までの一連の研究結果を基にして、『2分毎のリズムチェックは本当に必要なのか?』を実証する多施設研究(トリプルCPR16)を2017年1月より開始した。『2分毎のリズムチェックをせずに16分間胸骨圧迫をし続ける』という画期的な臨床研究である。2018年3月末の時点で143例が登録されており、重大な有害事象は報告されていない。中間報告では『心拍再開率が従来の心肺蘇生に比較して良い傾向』であり、『急性大動脈解離ではrSO2値は上昇しない』というサブグループ解析の結果が出ている。
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