研究課題/領域番号 |
15H05008
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
佐和 貞治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10206013)
|
研究分担者 |
森山 潔 杏林大学, 医学部, 准教授 (10296717)
天谷 文昌 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60347466)
中屋 隆明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80271633)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 緑膿菌 / ワクチン / PcrV / 三型分泌システム / 細菌性肺炎 / 急性肺傷害 / CpG / アジュバント |
研究実績の概要 |
人工呼吸器関連肺炎や敗血症の高頻度起炎菌である緑膿菌が多剤耐性化し、致死的な院内感染発生が頻発している。近年、多くの他の病原性グラム陰性菌と同様に緑膿菌にもⅢ型分泌システムの存在が発見され、緑膿菌性肺炎に続発する急性肺傷害や敗血症の病態発生に深く関わっていることが解明されてきた。加えて、Ⅲ型分泌システムが関わる病原性を抑制できる標的として緑膿菌Ⅴ抗原PcrVが発見され、欧米では緑膿菌感染に対してⅤ抗原を標的とした抗体療法の開発が進められている。本研究では、ヒトへ臨床応用可能な緑膿菌PcrV・CpG-oligodeoxynucleotidesアジュバント複合体ワクチンを開発した。臨床応用の観点から、大腸菌遺伝子組み換え緑膿菌PcrVフラグメント(rPcrV139-294)を精製用のタグを分解できるシステムとして生成した。アジュバントにはCpG-ODNを用いて、ワクチンの効果をマウスに致死量の緑膿菌肺感染を起こすことで評価した。異なる投与ルート(皮下、経鼻)でワクチン投与したマウスに対して、血清中の抗PcrV抗体価を測定し、致死的な緑膿菌肺感染を引き起こし、急性肺傷害の程度や、敗血症病態、生存率を観察し、その効果を検討した。その結果、経鼻投与により致死的な緑膿菌肺感染症に対して、有意な保護効果を発揮できる免疫力が得られることが解った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すべての実験計画が順調に進んでおり、当初の予定が達成されている。
|
今後の研究の推進方策 |
短期間で有効な効果が得られるPcrVワクチンの具体的な経鼻投与方法を見つけ出し、さらに臨床応用につながるための毒性テスト等を動物モデルを用いて進めていく。さらには免疫不全マウスモデルを用いて、ワクチンの効果を判定する。
|