研究課題
平成29年度は、「骨芽細胞・骨細胞のリン酸イオン膜輸送体の局所的ON-OFF機構」を解析計画としている。具体的には、骨芽細胞から骨細胞へと分化しつつある細胞における組織非特異型アルカリフォスファターゼ(TNAP)とピロリン酸合成酵素(ENPP1)の発現のON-OFFを解明することである。この目的のためには、まず、どのような骨芽細胞が骨細胞に分化するかを解明する必要があるが、近年、我々は、podoplanin陽性骨芽細胞が骨細胞へと分化することを突き止めている。PodoplaninはCD44結合部位を有する膜貫通蛋白であり、EMR family (ezrin, moesin, radixin)を介してアクチンなどの細胞骨格の再構築や細胞極性、そして、細胞分化にも影響することが知られている。podoplanin陽性骨芽細胞は、骨細胞と同様のアクチンの細胞内分布を示しており、その細胞においてリン酸化erzrinを細胞膜周囲に局在させていたことから、podoplanin陽性骨芽細胞が骨細胞に分化する過程にある細胞と推測された。さて、その一方で、ENPP1の免疫電顕を行うと、ほぼ全ての骨細胞にENPP1の陽性反応が出ていたが、細胞膜だけでなく粗面小胞体やゴルジ体を構成する膜構造に一致して局在していた。骨芽細胞でも骨細胞と同様のENPP1の分布を示したが、その反応の程度は骨細胞に比べて低かった。また、血中リン濃度を調節する線維芽細胞増殖因子23 (FGF23)はほぼ全ての骨細胞の小腔および細管内に認められた。しかし、podoplanin/ENPP1およびpodoplanin/FGF23の多重染色を行うと、正常状態ではpodoplaninとENPP1またはFGF23を発現する骨芽細胞を検出することが難しかった。現在、ANKの局在がカギを握るとして検索を進めている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 4件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (2件)
Odontology.
巻: 105(2) ページ: 150-154
10.1007/s10266-016-0247-4.
J Histochem Cytochem.
巻: 65(4) ページ: 207-221
10.1369/0022155416689670.
Biomed Res.
巻: 38(2) ページ: 123-134
10.2220/biomedres.38.123.
Japanese Dental Science Review.
巻: 53(2) ページ: 34-45
org/10.1016/j.jdsr.2016.09.002.
Hokkaido of Dent Sci.
巻: 38(Special issue) ページ: 56-62
https://www.den.hokudai.ac.jp/anatomy2/hokudai_d/index.html
https://www.den.hokudai.ac.jp/