野性型マウス脳から単離したミクログリアでは脳損傷に伴ってM1様傷害性分子の発現が増大したが、カテプシンBあるいはE欠損マウス脳から単離したミクログリアでの発現は認められなかった。一方、M2様保護性分子の発現ピークは野性型マウスと比較しカテプシンBあるいはE欠損マウスのミクログリアでは早期に認められた。さらにNF-kBはミクログリアのリソソーム分画存在下で活性化され、このNF-kB活性化はカテプシンBあるいはE阻害剤により有意に抑制された。以上の結果より、活性化ミクログリアにおいてカテプシンEならびにBはNF-kBを持続的に活性化し、傷害性M1に転換する分子スイッチとして働く可能性が示唆された。
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