研究分担者 |
山口 幹代 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30523089)
呉本 勝隆 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (40734306)
恵比須 繁之 大阪大学, 歯学研究科(研究院), その他 (50116000)
湯本 浩通 徳島大学, 大学病院, 講師 (60284303)
山本 れいこ 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (70636133)
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研究実績の概要 |
平成27年度は、ラットを用いて、マイクロエンドモデルの確立を目指した。1.10週令の優性Wister系ラットを用い、感染根管治療(根治)モデルを作製し、評価した。下顎両側第一臼歯の4根管全てに根尖性歯周炎を誘発したモデルと4根管のうち1根管のみに根尖性歯周炎を誘発したモデルを作製した. 露髄4週後, 両モデルとも右側は根管を行う治療群とし, 左側は未処置の対照群とした. 根治は防湿下、マイクロスコープ観察下で行った. 4根管モデルの評価は2. 1-3) 項で行い, 1根管モデルの評価は2. 2) 項にて行った. 1) 根尖病変体積の計測: 露髄後4-12週にマイクロCTの撮影し根尖病変体積を算出した. 2) 根管内細菌量の定量: 根治直後の下顎第一臼歯の近心根のみを凍結後粉砕後, 遺伝子抽出を行った. その後, ユニバーサルプライマーを用いてリアルタイムPCRを行い, 根管内細菌の定量を行った. 3) 病理組織学的観察: 露髄12週後の組織切片を作製し, H-E染色およびB-B染色を施して光顕観察した. 4根管根治モデルにおいて, 治療群の近心根根尖病変体積は露髄6週後以降有意に縮小し (Welch’s t-test, p<0.05), 露髄12週後の体積は露髄4週後の体積の23%に縮小した (対照群: 48%). 1根管根治モデルでは治療群と対照群の根尖病変の体積に有意な差は認められなかった. 治療群の近心根の細菌量 (3.2×10の7乗 cells) は対照群 (0.8×10の7乗 cells), 健全歯 (0.2×10の7乗 cells) と比較して有意に減少した (Steel-Dwass test, p<0.05). 病理組織学的観察の結果, 治療群の近心根は露髄12週後において根尖部歯周組織の治癒像が確認されたが, 根管内は細菌の残存が僅かに認められた.
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