研究課題
研究実施計画に従って、ラットマイクロエンドモデル(感染根管治療モデル)の開発実験を、平成28年度に機日続き行った。その結果、10週齢のラット下顎第一臼歯に対して、ラバーダム防湿を施し、MS観察下で感染根管治療を行うモデルを確立した。 ラットの感染根管治療により近心根の細菌は減少し、根尖病変体積の有意な減少を認めた。特に近心根の感染根管治療の成功率が高いことを明らかにし、4 根管のうち近心根のみでの評価が最適であることを示した。 ラット下顎第一臼歯近心根において、感染根管治療によって約75%除菌することで根尖病変が治癒傾向を示すことを明らかにした。続いて、開発したモデル上で、高周波を照射し、根尖病変に対する高周波根尖療法の影響を検索するとともに、バイオフィルム形成細菌種や宿主細胞に対する影響をin vitroで評価し検討を加えた。その結果、高周波照射は、根尖病変の治癒を促進させたが、根管内残存細菌に対しては無効であった。In vitroでもグラム陽性菌に対しては無効であった。また、根尖病変内において、TGF-β1 とFGF2を誘導することで治癒を促進していることを解明した。後半部分については、学会発表による社会・国民への発表は行ったが、科学論文による世界への発信は期間内に間に合わず、現在執筆中である。他方で、Porphyromonas gingivalis バイオフィルムの物理的・化学的抵抗性に関するPGN0088遺伝子の役割解析に関する研究については、代表者の移動/分担者の変更に伴い、主な研究施設が変化した為、充分な結果を出すことができず課題として残った。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)
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