研究課題/領域番号 |
15H05024
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
斎藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
|
研究分担者 |
村田 勝 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (00260662)
伊藤 修一 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (50382495)
別所 和久 京都大学, 医学研究科, 教授 (90229138)
松田 康裕 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (50431317)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 象牙質再石灰化 |
研究実績の概要 |
本研究グループでこれまでに開発・発見した象牙質再石灰化・再生促進因子(齲蝕によって脱灰された象牙質コラーゲンの再石灰化を誘導する接着性モノマー、および象牙質形成に関与し象牙芽細胞の活性化を促進する象牙質リンタンパク質であるphosphophoryn)などを配合した生体活性を有するハイブリッド型接着性修復材料の象牙質再石灰化・象牙質再生誘導活性および種々の機能性活性をin vitro細胞培養実験系/石灰化誘導実験系およびin vivo覆髄実験系において詳細な解析を行うことによって、本修復材料の実用化の可能性について検討することを最終目標としている。 平成28年度には、上記因子による象牙質再石灰化を補助促進する手法として炭酸ガスレーザー照射・フッ化物適用の組み合わせが有効であることを明らかにするとともにフッ化物含有材料が象牙質表面の脱灰抑制効果を有することをin vitro実験系で示した。また、歯の発生において上皮細胞に強く発現し、幹細胞からエナメル質形成細胞への分化誘導を促進する細胞外マトリックス、nephronectinが象牙芽細胞様細胞MDPC-23の細胞遊走・増殖を促進することをCell Counting Assayにより明らかにし、アルカリフォスファターゼ活性の測定、real-time PCR法による各種遺伝子発現の解析により分化促進を明らかにした。さらに、Alizarin Red染色により、石灰化を誘導することを明らかにし、象牙質リンタンパク質と協働作用を発揮するco-factorとなり得ることを見出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までの研究によって、試作修復材料を作製する前の段階に来ており、これまでに、マトリックス材料への架橋結合を想定した架橋結合型象牙質リンタンパク質由来ペプチドの象牙芽細胞分化・石灰化誘導活性の確認、マトリックス材料として安全性の高いティラピア由来コラーゲンの活性の確認、象牙質再石灰化を増強するレーザー・フッ化物の効果の確認および象牙芽細胞分化誘導のco-factorとなるnephronectinの作用の確認が完了した。材料の試作までは至らなかったが、研究計画はおおむね順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後さらに、象牙質リンタンパク質と協働作用を発揮するco-factorの開発を引き続き行い、強力な象牙質再石灰化・象牙質再生誘導活性を示す機能性修復材料の開発を行う。さらに材料の規格化を行い、それぞれの実験で得られた結果を総合して生体活性型齲蝕治療材料開発の一助とする。
|