研究課題
研究分担者が日本大学歯学部から愛知学院大学歯学部に異動になったことから、今年は、新たに理研から線維芽細胞から作製したヒトiPS細胞(253G1)を購入し、神経堤細胞への誘導を行うことから実験を開始した。線維芽細胞から作製したiPS細胞においても神経堤細胞への誘導は可能であった。iPS細胞から誘導した細胞が神経堤細胞であることを確認するために、シュワン細胞に分化させること行った。次に、この神経堤細胞が歯の形成細胞に分化できることを確認するために、ブタ歯胚上皮組織を混合してヌードラットに移植した。移植20週後に、移植体を観察すると、全ての移植体において奇形種は認められなかった。次に、マイクロCTによる観察を行うと硬組織が確認できた。そこで、組織学的に解析を行うと、エナメル質、象牙質、セメント質および骨が観察できたので、それぞれの特異的抗体にて免疫科学的解析を行った。エナメル質にはアメロゲニン、象牙質にはデンチンシアロプロテイン、セメント質にはボーンシアロプロテインの抗体を用いた。それぞれの抗体に陽性反応を認めたので、それぞれの組織が移植した神経堤細胞から分化誘導したエナメル芽細胞、象牙芽細胞、セメント芽細胞であることを明らかにするために、ヒト核抗体による免疫組織化学的解析を行った。エナメル質形成、象牙質形成、セメント質形成を施した細胞はヒト核抗体に陽性であったことから、移植した神経堤細胞から分化誘導したことが示唆された。神経堤細胞はヒトiPS細胞から分化誘導した細胞であり、移植した動物はラット、また、神経堤細胞と混合したブタ由来の上皮細胞であることから、ヒト核抗体への交差性が無いことを確認し、移植した細胞から誘導した細胞であることを確認した。以上の結果から、移植した神経堤細胞はエナメル芽細胞、象牙芽細胞、セメント芽細胞に分化したことが示された。現在、投稿準備中である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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