研究課題/領域番号 |
15H05061
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
矢野 理香 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (50250519)
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研究分担者 |
長谷山 美紀 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (00218463)
吉田 祐子 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10646805)
下田 智子 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (60576180)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳血管障害患者 / 手浴 / ガイドライン |
研究実績の概要 |
これまでの研究により、手浴ケアの臨床的効果をランダム化比較試験により検証し、「回復期脳血管障害患者に手の動きの自覚と語りを促す手浴ケアの成果モデル」を明らかにした。また、手浴ケアによる対象者の語りにおける心理的効果を、自然言語分析により、量的・質的・自動的に分析・評価できるソフトプログラム「手浴ケア分析システム」を独自に開発した。これまでに開発した手浴ケアの成果モデルと手浴ケア分析システムを一体化させ、「脳卒中手浴ケアプログラム」とした。本研究の目的は、医療施設への導入と普及に向けて、脳卒中手浴ケアプログラムによる介入の長期的効果を、継続してランダム化比較試験により実証し、ガイドラインを作成することである。 平成28年度は、臨床試験に向けて、男女各15名を対象予定とする研究計画により、温浴による温熱刺激が皮膚表面温度や皮膚バリア機能に与える影響を実験研究により検討を加えた。対象者の両腕を10分間温湯に浸漬し、浸漬前後における前腕屈側の皮膚表面温度をサーモグラフィー(NEC、Thermography R300)で撮影し、角質水分量を角質水分測定器、TEWL、皮脂量を皮膚計測機器MPA5で測定した。皮膚表面温度の上昇度と角質水分量、TEWLなどの変化量の関連が明らかになり、介入研究における研究のプロトコールおよび各測定値の測定タイミングが示唆された。 また、ソフトプログラム「手浴ケア分析システム」による言語分析に関しては、名詞および形容詞などの判別と時制の区分の正確性と効率性を高めることに向けて、辞書の改良を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
皮膚バリア機能の測定機器を使用するタイミングと各数値の関連を検討する必要が生じ、実験研究を追加したことにより、進捗状況にやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
研究のプロトコールは明確にすることができたことから、平成29年度前半に、介入研究を遂行する。また、同時に臨床において、本プログラムを推進するために、必要な準備などを臨床看護管理者と検討を加え、ガイドラインに反映させ、臨床での普及を推進したいと考える。
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