研究課題/領域番号 |
15H05066
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
峰松 健夫 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00398752)
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研究分担者 |
禰屋 光男 静岡産業大学, 経営学部, 講師 (30359640)
山田 実 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (30525572)
吉田 美香子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40382957)
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
野口 博史 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50431797)
仲上 豪二朗 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70547827)
玉井 奈緒 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80636788)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 看護技術 / スキンブロッティング |
研究実績の概要 |
(1)スキンブロッティングにおけるタンパク質採取と皮膚バリア機能の関連:スキンブロッティング試料で組織間液の主要成分であるアルブミン染色し、その強度と皮膚バリア機能の指標である経表皮水分蒸散量(Transepidermal water loss)の測定値が非常に強く相関することが明らかとなった。これはスキンブロッティングにおけるタンパク質採取量が皮膚バリア機能の状態に影響を受けることを示しており、スキンブロッティングの結果には、特に皮膚バリア機能の低下した高齢者を対象にする際には補正が必要であることを示している。また同時に、皮膚バリア機能の新たな評価法としてスキンブロッティング法が応用可能であることを示唆している。 (2)スキンブロッティングによる足白癬の同定:足白癬の判定は習熟した皮膚科医による直接鏡検法がゴールドスタンダードです。今回、白癬菌が分泌するケラチナーゼをスキンブロッティング法で検出することで足白癬を同定できることが明らかとなった。この発明は特許申請に至っている。 (3)潜在的皮膚炎症バイオマーカーの確立:既に潜在的皮膚炎症を捉えるバイオマーカーとして炎症性サイトカインを同定しているが、更なるバイオマーカー確立のため、酸化ストレス関連酵素の発現解析を実施した。その結果、酸化ストレス関連酵素の評価により紫外線照射による急性の炎症と肥満などによる慢性炎症を判別できる可能性が示された。 (4)筋力トレーニングによる筋損傷:少人数のアスリートを対象としたパイロットテストを実施し、筋損傷を示すCPKやIL6などの検出が可能であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
局所の炎症の評価については計画通り動物実験を終え、化学療法を受ける癌患者を対象とした臨床調査も計画を前倒しして開始することができた。 栄養評価に関しては動物実験の必要性を再考して不要であると判断した。その結果、本年度は入院高齢者を対象とした臨床調査を前倒しして開始している。 筋損傷の評価では、激しい運動後の発汗によりタンパク質採取が阻害されることが明らかとなり、現在対策を検討中である。 以上より、テーマによって進捗の程度が異なるが、総じて順調であると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
局所の炎症評価、栄養評価では臨床調査を継続する。また、筋損傷の評価ではスキンブロッティング法の部分的な改善を検討し、臨床調査を計画する。
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