研究課題/領域番号 |
15H05067
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20293821)
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研究分担者 |
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90236175)
辻村 裕次 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40311724)
西田 直子 京都学園大学, 健康医療学部, 教授 (80153881)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 運動器障害 / 看護 / 労働負担 / 腰痛予防対策 |
研究実績の概要 |
前年度に研究協力に同意を得たB病院をフィールドとし、以下の研修・調査を行った。 8月16日、腰痛予防リーダーを対象として介助技術研修会を実施した(参加者40人)。12月16日、3つの病棟を巡視し、病棟長からノーリフティングの実施状況についてヒアリングを行った。いずれの病棟もベッド-ストレッチャー間の移乗介助にスライディングシートを使用し、負担が軽減しているとの報告があったが、体位変換やベッド上での移動介助では同シートが十分活用されていなかった。翌17日に実施した管理職と腰痛予防リーダー対象の研修会では(参加者32人)、前年度に実施した質問調査の結果を報告した後、体位変換におけるスライディングシートの活用を重点的に指導した。 11月に介入後1回目の質問紙調査を実施し、看護師252人から回答を得た。現在腰痛あり率は54%、過去1か月の腰痛訴え率は68%(いつも12%+時々56%)、過去1年の腰痛訴え率は69%、過去1年の腰痛による休業者数は11人、過去1か月の頸・肩・背・腕部痛訴率(いつも+時々、右)は、頸31%、肩33%、背23%、腕15%であった。「腰痛予防対策で日ごろ気をつけていること」として、「補助具の使用」との回答は前年度調査で5%だったが、今回は21%に増加した。また、ベッド-車いす間の移乗で「スライディングボード等を使う」(31%)、体位変換やベッド上の移動介助で「スライディングシートを使う」(38%)との回答は、いずれも前年度調査より増加した。ベッド-ストレッチャー間の臥位での患者移乗はスライディングシートとダントールの使用が定着していたが(ほぼ毎回使用84%)、体位変換やベッド上移動時のスライディングシートおよびベッド-車いす間でのスライディングボードの使用率は低く(それぞれ、ほぼ毎回使用20%、7%)、十分に活用されていなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、B病院をフィールドに、腰痛予防プログラムの導入を進めている。総合病院であり、現時点では部署により取り組みの違いが出ているが、病院として意欲的に取り組んでもらっている。
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今後の研究の推進方策 |
2016~2017年度に実施した調査について、データ分析を行い、学会発表や論文発表を行う。 B病院においては、引き続き先方と相談しながら、継続した研修を行い、進捗を確認しながら、2018年度は最終評価を行う。調査報告書を含め公開可能な調査結果は、学会発表や論文、およびホームページ上に公表する。 A病院については、当方が提案した腰痛予防プログラムではないが、スライディングシートを大量に購入し、独自の教育で技術研修を続けている。また、16時間夜勤から12時間夜勤への変更などもあり、働き方が変わりつつある。今後も、腰痛予防について、A病院看護部と相談しながら研究を進める予定。
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