研究課題
最終年度は計画に則り、愛知医科大学看護学部と医学部解剖学講座が協力し、本学病院の臨床看護師を対象とした『局所解剖セミナー』を実施した。また、特定看護師を対象とした『臨床解剖セミナー』および、看護学生を『解剖セミナー』を同時に開催した。『それぞれのセミナー』の目的は、解剖実習体を通して人体の立体的構造を正確に把握し、解剖学的リスクを考慮した安全な看護技術を学ぶことである。今後、更なる専門性、多様性が求められる看護教育においてこの解剖学実習のモデルケースとなり得るものと考える。また、看護師養成機関と医師養成機関が密に連携し、新たな教育モデルを作り出す本研究の成果は、チーム医療時代の多職種間教育(inter-professional education)をさらに進めていく上においても、大きな意義を持つものと考えている。日本で今日用いられる解剖学用語には、様々な言語、文化、歴史背景があり、学術用語としての統一性や一貫性に少なからぬ問題がある。学生のみならず医学・医療やその教育に携わる者にとっても、医学用語の疑問の種は尽きないが、多職種からなる医療従事者の共通の基盤となる用語の指導が、確かな根拠の下に適切に行われることは重要である。医学用語に関してしばしば寄せられる疑問は、その用語の由来や性質によりいくつかの要因にまとめることができる。また、その疑問に答えるための用語集やデータベース、シソーラスは、昨今の情報技術の進歩によりアクセスが容易になった。教育する側は、複雑な内容と背景を包含する医学用語に対する学習者の疑問に丁寧かつ的確に対応し、昨今の進歩の著しい医学、医療を効率よく修得するための支援につなげることが必要である。そのため、特に初学者の視点に立っって、医学用語の教育における工夫や背景知識についてまとめ、発表した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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愛知県立大学看護学部紀要
巻: 25 ページ: 1-11