研究課題/領域番号 |
15H05074
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
柳井 圭子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60412764)
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研究分担者 |
エレーラ ルルデス 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (40597720)
力武 由美 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (70514082)
児玉 裕美 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (80584515)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 法看護師 / フォレンジック看護 / 被害者支援 / 加害者支援 / 保護観察 / 暴力防止体制 |
研究実績の概要 |
アメリカでの法看護学(フォレンジック・ナーシング)の発展については、引き続き検討している。特徴となる取り組みは、フォレンジック・ナースを法制度に位置づけ、被害者への看護を行うことであり、その成果として暴力事件・事故を減少させることにつながっていると評価されている。もっとも被害者の支援とともに、加害者の支援を行うことで暴力連鎖を断ち切ることが必要となるという点では、イギリスやヨーロッパの取り組みを検証することは重要である。そこで、加害者への矯正プログラムと健康管理という看護ケアにいち早く取り組んできたイギリスを中心にEU内の看護師の取り組みとその効果について、文献レビューを行った。イギリスでは、2004年にフォレンジック看護学会が設立されており、性暴力被害者支援と保護観察(custody )者の看護の領域があること、いずれも実践者を育成するため、看護師であれば、最低4年間の実務経験があり、かつ被害者か、被害者への看護実戦経験を有する者が、学会もしくは看護助産審議会(NMC)の上級看護師資格を得る必要がある。イギリスは、看護師の処方権限や死の宣告を認めていることから、そこにフォレンジックの専門の教育を得ることで、フォレンジック・メディカル・エグザミナーとして、被害者・加害者への看護を実践している。その実践活動により、暴力被害、特に子ども虐待が減少しているという効果が得られていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イギリスにおける法看護師の位置づけと政策的取り組みについては、文献・資料により確認することができた。そこで、実践がどのように行われているかについて、調査の準備を行っている。また、今年度参加した国際フォレンジック看護学会において、イギリス、オランダの実践家と意見交換を行うことができ、そのことも踏まえて、調査研究の具体的な計画を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
イギリスでの実態調査を行う予定である。当初予定しているサルフォード大学を拠点として、イギリスでの看護の実践状況とそれを可能としている政策について、情報および知見を得ながらEU諸国の状況について、調査を行っていく。年度末には、結果をまとめ、報告および学会発表の準備を行う。 また研究の中間報告会として、夏には、東京でアメリカでの法看護研究者を招聘して国際研修会を行う予定である。
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