術後の早期離床は合併症の予防あるいは医療経済学的効果をもたらしているが、一方早期離床に伴って多発する不整脈や血圧低下の原因についての検証が行われているとは言えない。そこで、心拍変動解析による自律神経活動を評価し、離床に伴う体位変換時の安全で安楽な離床に関する基礎的知見を得ることを目的に若年成人と高齢者を対象に検証を行った。離床として基本的な仰臥位から測臥位への体位変換で、年齢にかかわらず、左側臥位で心拍数の低下が現れやすいことが明らかになったが、自律神経活動変化とは関連が認められなかった。高齢者は右側臥位が交感神経活動を低下させる可能性が示唆された。
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