研究課題
ゴビ砂漠(モンゴル)における黄砂発生解明の観測から、(1)クラスト、(2)レキ、(3)地形(谷底が黄砂発生ホットスポット)、(4)谷底植生量が黄砂発生量の多寡を決定する重要なパラメータであることが分かってきた。春(黄砂シーズン)に集中観測を実施し、さらに、学内予算等による調査や研究協力者(IRIMHE, モンゴル)の協力を得て、夏と翌年春(3月)に現地調査を行っている。これまで、雨の多い夏(2015, 2016年)、少ない夏(2017年)、極端(30年に1度程度)に雨の多い夏(2018年)のデータ取得が出来た。飛砂のクラスト破壊(クラスト強度)を測定するため砂落下装置、飛砂一粒の動きを捉えるためのエアーガンを開発した。砂自由落下実験では、供試体として供給水分量の異なるクラストを作成した。この実験より、供給水分量が多いクラストほど、削られる土壌の質量が少なくなるという定量的結果を得た。エアーガン実験では、供試体として含水比15%のファインサンドを使用し、衝突させる粒子(ガラスビーズ)の入射角度と、入射速度を変化させた結果、衝突に際して消費されるエネルギーが大きいほど侵食体積が大きいこと等を定量的に示された。研究協力者(IRIMHE, 気象研究所)とモンゴル観測サイトの飛砂観測結果を効率的に吟味できるように、米国NOAA等開発のWRF-Chemモデルのサルテーション部分だけを切り出したBox Model(0次元の軽量モデル)を作成した。広域数値実験に必須となる地表面データについて、ネット公開されているSoilGridsデータを用いたレキ効果、地形効果(谷底効果)の実験設定について吟味を行った。現地調査のレキ量とSoilGridsレキデータの比較を行った。現地調査で得られたレキ量、風速、飛砂量の関係の解析を行い、Box Modelの結果との比較を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
Environment International
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