研究実績の概要 |
ベトナム・ダナン近海から5種の海綿を採集し、遺伝子を保存した。さらに、採集したSpongia spのエタノール抽出液から6種の新規merosesquiterpenesを得ることができた。単離した化合物について生物活性を評価した結果、新規化合物langconol AがBacillus subtilisに対して比較的強い抗菌活性を示すものの,ヒト由来通常細胞に対して細胞毒性を示さないことが明らかになった。また、キョウチクトウ科植物Anodendron paniculatum全草のメタノール抽出液から、3種のcycloartane型triterpene配糖体と3種の既知化合物を得ることができた。一方、インドネシア・マカッサルにて海綿3種とシソ科薬用植物Plectranthus scutellarioides及びアカネ科植物Paederia foetidaを採集し、P. scutellarioides葉のクロロホルム抽出液から3種の新規abietane型diterpenoidを含む計4種の化合物を、Paederia foetida全草のメタノール抽出液から1種のシクロアルタントリテルペンと6種の既知化合物を単離した。さらに,ミャンマー・ベイにて海綿5種を,ベイの隣に位置するカレン州にて植物12種を採集し、海綿からは2種の新規アルカロイドを、ショウガ科植物Curcuma amada根茎のメタノール抽出液からは、4種の新規labdane型diterpenoidを含む計17種の化合物の単離・構造決定に成功した。C. amadaから単離した新規化合物(E)-15-ethoxy-15-methoxylabda-8(17),12-dien-16-al ,(E)-15α-ethoxy-14α-hydroxylabda-8(17),12-dien-16-olide,15-ethoxy-12β-hydroxylabda-8(17),13(14)-dien-16,15-olideは、比較的強い細胞増殖抑制活性をヒト由来がん細胞に対して示す化合物であった。
|