研究課題
昨年度ベトナム・ダナン近海から採集したXestospongia testudinariaの95%メタノール抽出液から1種の新規ステロールを2種の既知ステロールとともに単離した。単離した化合物について細胞毒性と抗菌活性を評価した結果、新規ステロールlangcosterol Aがヒト由来がん細胞に対して細胞毒性を示すことが明らかとなった。さらに、今年度は、ベトナム・フーコック島周辺海域についても海綿調査を行うことで、8種の海綿を採集し、これらの遺伝子を保存した。採集したArenosclera spのメタノール抽出液から新規1種を含む計9種のブロモ化ジフェニルエーテルを得ることができた。これらについて生物活性を評価した結果、新規化合物tribromoiododiphenyl etherと既知類縁体がBacillus subtilisとStaphylococcus aureusに対して強い抗菌活性を示すことが判明した。一方、ベトナム産センダン科植物Chisocheton paniculatusの果実のメタノール抽出液から1種の新規リモノイドを単離し、本化合物が抗炎症活性を有することを明らかにした。さらに、シソ科植物Pogostemom auriculariusの地上部及びヒカゲノカズラ科植物Huperzia phlegmariaの地上部のメタノール抽出液から,3種の新規メロテルペノイドと2種の新規リコポジウムアルカロイドをそれぞれ単離し、前者がヒト由来がん細胞に対して弱いながらも細胞毒性を有すること、一方、後者においては、弱いながらもアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有することを明らかにした。ミャンマー産天然資源については、ベイにてあらたに3種の海綿を、ベイの隣に位置するカレン州にて植物6種を採集し、海綿Clathria proliferaから2種の新規ピロロ-2-アミノイミダゾールを、クマツヅラ科植物Premna serratifolia材のクロロホルム抽出液から、6種の新規テトラヒドロリグナンを含む計18種の化合物の単離・構造決定等に成功した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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