研究課題/領域番号 |
15H05150
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館 |
研究代表者 |
原田 あゆみ 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 室長 (20416556)
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研究分担者 |
小泉 恵英 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部, 部長 (40205315)
末兼 俊彦 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部企画室, 研究員 (20594047)
望月 規史 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部文化財課, アソシエイトフェロー (80635251)
日向 伸介 静岡大学, グローバル企画推進室, 特任助教 (60753689)
山田 均 名桜大学, 国際学群, 教授 (10289671)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | タイ / 日タイ関係 / 文化交流 / 博物館 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで知られてきた資料を、新出の交易・文化交流資料から見直し、日本とタイにおける文化交流の実相を再構築することを目的とする。これまで続けてきたタイにおける日本美術、日本におけるタイ美術の悉皆調査を継続させ、資料そのものに関する正しい評価を行い、これまで埋もれていた資料の活用をはかる。本研究は九州国立博物館が中心となり、日本各地の研究機関、タイ文化省芸術局、研究協力者と連携して調査研究を行っている。本年度は以下の調査を行った。 (1)各地の博物館に関係資料に関する情報提供を依頼し、情報蒐集に努めている。27年9月22日~23日に九州国立博物館および柳川・立花家史料館においてタイ関係資料の調査を日タイ合同で行った。(2)平成27年11月22日~23日に静岡大学、静岡市教育委員会の協力を得て、静岡・浅間神社において、山田長政資料の調査、研究会を行った。(3)平戸におけるタイ関係資料の調査を28年2月3日に、松浦史料博物館、是心寺、最教寺霊宝館で行った。(4)交易品としての日本刀はタイ社会において深く受容され、権威の象徴としてタイにおいて新しい「日本刀」が創造されていたことが明らかになった。27年11月17日、18日にスミソニアン博物館において、タイ王室から海外に贈られたとされる日本刀の調査を行い、タイにおいて日本刀が受容され、新しい意義付けがなされていたことについて検討した。(5)28年1月18日~19日、バンコク国立博物館、東北タイにおいて、タイにおける日本美術に関する調査を行った。タイ側協力者と合同で調査について報告し、情報の共有化をはかった。また、本年度における調査研究の問題点や課題を洗い出し、来年度の調査について対処体制を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はタイ芸術局との信頼関係の下に進められ、情報公開や意見交換を行うなど相互補完的に研究成果を蓄積することができている。本年度は、静岡市や柳川市との協力を得て効率的に共同調査を行えた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は予定していた国内・海外調査をほぼ行うことができた。国内外の協力者および協力機関は本事業に対して協力的で、両者の信頼関係は良好に築かれているため、次年度にかけて順調に調査研究を進めることが可能である。平成28年度は研究分担者、協力者の役割を改めて見直し、調査研究の役割分担を再度明確にする。平成29年度には、本研究成果の一つとして展覧会の開催を予定しているため、図録に掲載する研究論文の準備もあわせて行う。
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