• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

黄河流域方言混合地帯における言語伝播の実態解明-地理情報科学の手法を用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 15H05156
研究機関同志社大学

研究代表者

沈 力  同志社大学, 文化情報学部, 教授 (90288605)

研究分担者 岩田 礼  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (10142358)
川崎 廣吉  同志社大学, 文化情報学部, 教授 (10150799)
秋谷 裕幸  愛媛大学, 法文学部, 教授 (10263964)
太田 斎  神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (40160494)
津村 宏臣  同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (40376934)
星 英仁  同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (70340461)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード方言調査 / 地理情報 / 歴史比較言語学 / 中国語学 / 一般言語学
研究実績の概要

2017年度の研究目標:2016年度の続きとして方言調査を行うこと,黄河流域の道路網をデータベース化すること,大量の方言データのデータベース化すること,黄河流域の方言伝播のメカニズムを解明することである.以下,今年度の研究成果を報告する.
(1) 黄河流域の方言混合地帯の村庄は全部で4486あり,その内訳は,黄河東側1687村+黄河西側2799村である.昨年度,それぞれの村の経緯度をデータベース化したが,今年度は,それぞれの村を結ぶ道路網をデータベース化した.12県のすべての道路情報をgoogle earthからダウンロードし,excelに入力した.この作業は大量の人件費が発生した.(GIS展示省略)
(2) 昨年度,黄河流域50方言区のうち,47方言区のデータを調査し,excelに入力した.しかし,柳林県の10方言区のうち,3つの方言区の調査が未完成であった.今年度山西省チームは上記の3つの方言に対し,声母・韻母・声調を含む音韻データを調査・入力した.これで,黄河流域の50方言区の調査研究は全部完成したと言える.(音韻データ展示省略)
(3) 本科研の調査項目は方言調査字表における3812語の音声である.一方,黄河流域の方言混合地帯の方言区は50種類あるので,語数190600に上る方言データを分析しなければならない.ここで膨大なデータをデータベース化する必要がある.昨年度は設計し,今年度は構築するというテンポで,構築を試み,「方言データ解析ソフト」を開発し,方言データの検索を試運転している段階まで漕ぎついた.
(4) 黄河流域における言語伝播のメカニズムの解明は本科研の醍醐味である.この研究はまた方言データベースの完成に関わっている.昨年度も今年度も研究を日々精進しているが,来年度も引き続き行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本科研は方言調査がメインであるので,3年目に,方言調査の任務が完成したという意味で概ね順調に進んでいると言える.
一方,入手したデータをデータベース化する必要があるが,方言データのデータベース化を試運転中であり,完全に完成していない.今年年度,代表者(沈力)が積極的に関与し,データベースの完成とともに,言語伝播のメカニズムの解明を成し遂げる予定である.

今後の研究の推進方策

2018年度は本科研の最終年度であり,本科研のクライマックスである.来年度はつぎの3つの任務を完成する予定である.
A.黄河流域諸方言のデータベース完成
B.黄河流域の言語伝播のメカニズムの解明
C.国際学会を開き,上記の科研成果を公表する.
特に,データベース作成は代表者が分担者と積極的に研究を推進し,年度内で完成する予定である.以上,報告を終了する.来年度,調査・分析が順調に行われることを祈る.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「語彙変化に関わる言語地理学的要因の再検討」2017

    • 著者名/発表者名
      岩田礼
    • 雑誌名

      『方言の研究』

      巻: Vo.3 ページ: 185-215

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「方言地図九幅--“伯父”“伯母”等親属称謂在蘇皖滬的地理分布--」2017

    • 著者名/発表者名
      岩田礼
    • 雑誌名

      『徐州工程学院学報(社会科学版)』

      巻: Vol.32, No.6 ページ: 45-53

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「山西中部方言“兄”和“姉”同音衝突研究」2017

    • 著者名/発表者名
      劉艶・岩田礼
    • 雑誌名

      『雲南師範大学学報(哲学社会科学版)』

      巻: Vol.49, No.2 ページ: 26-33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 江蘇省揚中方言調査ノートから2017

    • 著者名/発表者名
      太田斎
    • 雑誌名

      『開篇』

      巻: vol.35 ページ: 77-82

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 反映西北方音的王三反切2017

    • 著者名/発表者名
      太田斎
    • 雑誌名

      『漢籍与漢学』

      巻: Vol.1, No.1 ページ: 38-46

    • 査読あり
  • [雑誌論文] “馬歯JIAN”轉語記2017

    • 著者名/発表者名
      太田斎
    • 雑誌名

      神戸外大論叢

      巻: Vol.67, No.4 ページ: 89-109

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 韻書と等韻図Ⅰ/Ⅱ補説2017

    • 著者名/発表者名
      太田斎
    • 雑誌名

      神戸外大論叢

      巻: Vol.67, No.4 ページ: 1-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 重建官話方言音韻史的設想2017

    • 著者名/発表者名
      秋谷裕幸
    • 雑誌名

      語言学論叢

      巻: Vol. 55 ページ: 115-172

    • 査読あり
  • [学会発表] 発掘新事実,発現新規則-従漢日持続体標記的描述所看到的-2017

    • 著者名/発表者名
      沈力
    • 学会等名
      Frontiers in Contemporary Linguistics 2017 Towards New Descriptivism
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 6 Resultative constructions in Japanese from a typological perspective, in Prashant Pardeshi and Taro Kageyama(ed.) Handbook of Japanese Contrastive Linguistics (HJCL)2018

    • 著者名/発表者名
      Taro Kageyama and Li Shen
    • 総ページ数
      600(312-370)
    • 出版者
      Berlin: De Gruyter Mouton
    • ISBN
      978-1-61451-407-7

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi