研究課題/領域番号 |
15H05157
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工 |
研究代表者 |
河内 一博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 総合教育学群, 准教授 (00530891)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 言語学 / 情報構造 / 語用論 / 記述言語学 / 言語類型論 / アフリカ言語学 |
研究実績の概要 |
平成28年7月2日~7月29日および平成29年3月1日~3月22日にエチオピアのシダーマ・ゾーンで、平成28年8月2日~8月24日および平成29年1月3日~1月16日にウガンダのカプチョーワで、フィールドワークを行い、それぞれシダーマ語とクプサビニィ語のデータを収集した。データ収集には以下の三つの方法をとった。第一に、談話(特に民話と日常会話)からデータを採った。これらの方法でデータを取った後で、母語話者の調査協力者とともに分析を行い、細部に関して質問をして、確認をすると同時に、さらに関連するデータを採った。第二に、ペア・フィルムの語りのデータを採った。第三に、ニューヨーク州立大学バッファロー校の共同研究プロジェクト(代表者:Juergen Bohnemeyer)の一部との関連で使役に関する談話データを採った。データはすべてビデオとオーディオで記録した。 また、平成28年9月4日~9月11日にフランスでのヨーロッパ類型論夏期講座に参加した。情報構造の言語類型論的実証研究の専門家である Robert Van Valin 氏の講義に参加し、意見交換を行ない、今後の共同研究の可能性について話をした。さらには、本研究課題に関係のある、一般的な言語類型論、音声学・音韻論、類型論の方法論の講義を受講した。 平成28年度の上記期間以外は、出版予定の原稿の修正、今後発表する論文の執筆、平成29年度に学会発表を行うための準備、そのための資料収集等を行った。 本研究課題は、深い研究が十分になされていない二つの言語の現象を理論的に中立な立場から記述し、個別言語の研究を超えて言語類型的な問題に取り組み、言語類型論を中心に言語学の様々な研究分野に貢献しているという点で価値がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
合計4回のフィールドワークで多くのデータを取ることができ、発表の準備と論文の執筆の過程でデータをまとめ、これらの言語の文法構造(特に情報構造)の理解をさらに深めることができた。両言語とも運用能力が向上し談話を聞き取りながらある程度理解ができるようになったが、現地調査期間中以外にも運用能力の維持をする努力が必要である。さらには、もっと情報構造の理論的問題を把握するのに文献を熟知する必要があるが、十分にはできていない。
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今後の研究の推進方策 |
今までと同様に、シダーマ語のフィールドワークをエチオピアのシダーマ・ゾーンで、クプサビニィ語のフィールドワークをウガンダのカプチョーワで行い、データをもとにして理論的問題を扱う論文を書き、できる限り国際的な場で発表する。今年度は、5月、6月、9月に国内学会、7月と8月に国際学会での発表が決まっている。また、これら2つの言語の運用能力を向上させることにより、多くの談話を聞きながら短時間で理解をし、情報構造についてもっと効率的に取り組むことができるように努力する。それから、データを見ながら、情報構造に関する文献を読み、理論についての知識を深め、生産的に論文を執筆できるようにする。
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