研究課題/領域番号 |
15H05157
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
河内 一博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 教授 (00530891)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 言語学 / 情報構造 / 語用論 / 記述言語学 / 言語類型論 / アフリカ言語学 |
研究実績の概要 |
平成30年6月30日~7月20日および平成31年3月1日~3月17日にエチオピアのシダーマ・ゾーンにおいて、平成30年7月26日~8月23日、平成31年1月2日~1月20日にウガンダのカプチョーワにおいて、フィールドワークを行い、それぞれシダーマ語とクプサビニィ語のデータを収集した。主に談話(特に民話、日常会話、ペア・フィルムの語り)のデータを採り、その後で、母語話者の調査協力者とともに分析を行い、細部に関して質問をして、確認をすると同時に、さらに関連するデータを採った。 平成30 年度の上記期間以外は、出版予定の原稿の修正、今後発表する論文の執筆、学会発表を行うための準備、そのための資料収集等を行った。日本認知言語学会の論文を1本出版し、8本の学会発表(うち3本は国際学会での発表)、2本の研究会発表を行った。特に、日本言語学会の第156回および第157回大会、26th Japanese/Korean Linguistics Conference、NINJAL International Symposium: Motion Event Descriptions across Languages (MEDAL)に参加した際に、発表時間外の時間を使って、他の研究者たちと意見交換を行った。 本研究課題は、深い研究が十分になされていないシダーマ語とクプサビニィ語の現象を理論的に中立な立場から記述し、個別言語の研究を超えて言語類型的な問題に取り組み、言語類型論を中心に言語学の様々な研究分野に貢献しているという点、研究に多くの場合英語を使っているという点で価値があると言えると思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
合計4回のフィールドワークで多くのデータを取ることができ、発表の準備と論文の執筆の過程でデータをまとめ、これらの言語の文法構造(特に情報構造)の理解をさらに深めることができた。両言語とも運用能力が向上し談話を聞き取りながらある程度理解ができるようになったが、現地調査期間中以外にも運用能力の維持をする努力が必要であり、文法の執筆をもっと能率的に進めていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今までと同様に、シダーマ語のフィールドワークをエチオピアのシダーマ・ゾーンで、クプサビニィ語のフィールドワークをウガンダのカプチョーワで行い、データをもとにして理論的問題を扱う論文を書き、できる限り国際的な場で発表する。今年度は、5月、8月、9月に学会での発表が決まっている。また、これら2つの言語の運用能力を向上させることにより、多くの談話を聞きながら短時間で理解をし、情報構造についてもっと効率的に取り組むことができるように努力する。それから、データを見ながら、情報構造に関する文献を読み、理論についての知識を深め、生産的に論文を執筆できるようにする。さらに、他の研究者との意見交換を積極的に行なう。
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