研究課題/領域番号 |
15H05167
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
加藤 真二 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (20261125)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 霊井遺跡 / 早期土器 / 更新世/完新世移行期 / 旧石器/新石器移行期 / 環境変化 / 中国北部 |
研究実績の概要 |
7月にオルドス博物館・オルドス市文物考古研究院(内蒙古オルドス)、河北省文物研究所(石家荘)、中国科学院古脊椎動物与個人類研究所(北京)にて、ウランムルン河流域、泥河湾盆地に所在する霊井関連遺跡出土品の調査を行い、太行山脈以西における旧石器/新石器移行期の石器群の様相を把握することができた。オルドスでは、地元研究者、全国の大学から実習に来ていた考古学専攻生と研究交流を行うこともできた。 11月には、河北省文物研究所、古脊椎動物与古人類研究所にて霊井関連遺跡出土品の調査を行った。後者では、黒龍江省桃山遺跡から出土した土器片、石器群について詳細な観察を行うとともに、土器付着物の採取を行うことができ、中国東北部の小興安嶺山脈における土器出現期前後の様相把握が可能となるとともに、具体的な年代測定値や同位体比等を得ることができる期待が高まった。 2018年1月には、河南省文物考古研究院(鄭州)で補足調査と研究についての調整を行った。 3月、第19回北アジア調査研究報告会(東京大学)で「中国細石刃期の尖頭器について」と題して、細石刃期末にみられる石鏃の出現に関する研究成果の一端を報告した。 このほか、日本の熊本県、カザフスタンの霊井関連遺跡で採取した炭化物をAMS法による放射性炭素年代を測定した。これにより、本研究において、中央アジアから日本列島までの広い範囲での細石器に関わる年代測定値を新たに把握できたことになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
若干の補足調査を除き、ほぼ必要な調査、試料採取等は終了し、分析結果が出てきている状況であり、2018年度に出版を予定している報告書の執筆・編集にいつでも入れるため。
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今後の研究の推進方策 |
中国東北部、山東省で若干の補足調査を行ったのち、これまでの調査結果、各種分析結果を踏まえて、報告書を執筆、編集し、2018年度末には出版する。
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