研究課題/領域番号 |
15H05212
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
辻森 樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00436833)
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研究分担者 |
平野 直人 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (00451831)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 現行型沈み込み帯 / 高圧中間群変成帯 / 古原生代 / 高圧変成岩 / 変成岩岩石学 / 野外地質学 / タンザニア / 東アフリカ |
研究実績の概要 |
古原生代に現行型沈み込み帯が出現した地質学的証拠を確定的にすることを目的に、タンザニア地塊外縁造山帯(太古代タンザニア地塊を取り囲む古原生代造山帯)に産する約20億年前の高圧中間群変成帯について広域変成帯の野外調査と岩石学・地球化学的解析を進めて来た。最終年度(平成29年度)は、前年度までに採取された岩石試料の解析と年代測定を継続して行った他、ダルエスサラーム大学の現地での研究協力者を日本に3ヶ月招聘し、得られたデータの解釈を行った。さらに問題点を絞り込んだ上でタンザニアの現地調査を実施した。岩石試料の解析に関しては、高圧中間群変成帯のなかの高変成度岩についての岩石学的特徴付けが進んだ結果、いくつかの新知見が得られた。特に、低変成度の結晶片岩地域の枕状構造を保持した緑れん石-角閃岩相の全岩化学組成(主要・微量元素濃度)の検討から、それらが典型的な中央海嶺玄武岩を原岩とすることが明らかとなった。また、平衡共存する鉱物の相の数が多く、一般的な変成玄武岩類よりも、変成条件を束縛しやすいアルミニウムに富む(藍晶石を含む)角閃岩類の解析で、トロクトライト質の沈積岩が原岩であることが判明し、藍晶石が滑石と共存することが明らかとなった。藍晶石+滑石の鉱物組み合わせの発見により、これまで角閃岩相と考えられてきた地域の変成圧力の下限が決定された。一方、これまでエクロジャイト相変成岩と記載されてきた岩石試料の解析の結果、高圧グラニュライト相の変成作用の正確が明らかになりつつある。顕生代の変成帯との比較研究も進み、古原生代の高圧中間群変成帯の実像の理解が進んだ。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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