研究課題
今年度は従来通りフィールドに基づく研究を継続すると共に、当研究のまとめの期間として、今までの成果を公表すると共にこれからの研究の方向性と進展を検討することを主とした。我々が発見した、エディアカラ紀の地層からの深く潜る大型生痕化石の発見をRoyal Society Open Science誌に発表した。これは内外のマスコミを含め、大きな反響を得ることができた。この化石の発見により、従来エディアカラ紀には存在しないと考えられてきた、深く潜る動物の存在、このような行動を行うことのできる左右相称動物の存在、そして深く潜る巣穴を掘り身を隠す動物の存在から推察される捕食動物の存在、を考察することができた。これらはすべてエディアカラ紀には確認されていなかったもので、従来の考えを大きく変えるものである。さらに今年度はエディアカラ紀の地層に含まれる小型有殻動物やそのほかの微化石の抽出に努め、当時の動物の痕跡を見出すことに成功した。具体的には今後一層の研究と検討を必要とするが、予察的には多細胞動物の部分的な化石である可能性が高い。モンゴル西部のエディアカラ系から、他の地域に見られない多細胞動物のいち早い出現が確認されたことから、当時の世界全体の古地理を考察し、当時の熱帯地域に存在したモンゴルがより早い動物進化をもたらした可能性を考察した。この結果は従来我々がカナダ、南中国、モンゴル西部で調査した生痕化石の多様度、活動度、サイズ分布の比較から示された、モンゴルでの早い進化の結果と整合的である。これらの結果を踏まえて、今後モンゴル国内・外に分布するエディアカラ系、カンブリア系を検討する必要が示された。モンゴル北部のフブスグル湖周辺のエディアカラ系・カンブリア系を中心に調査を行う必要がある。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Royal Society Open Science
巻: - ページ: 1-10
10.1098/rsos.172250
Paleontological Research
巻: 22 ページ: 75-90
10.2517/2017PR011
Geological Magazine
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www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20180228_num_1.pdf
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/03/180312091407.htm