研究課題/領域番号 |
15H05221
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
日比野 忠史 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50263736)
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研究分担者 |
TOUCH NARONG 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (50707247)
中下 慎也 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90613034)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 竜院湾 / 釜山新港 / 底質浄化 / 汚泥 / ヘドロ浄化 |
研究実績の概要 |
韓国釜山でのアルカリ剤である石炭灰造粒物散布の実用化実験を計画し、実行段階に移行した。本年度は流れ場と底質の汚泥化状態に適合した実験計画を作定するため、日本において小規模実証実験を行なった。小規模実証実験では、ヘドロが堆積し生態系が崩れた水域を対象に開発されたヘドロ浄化技術および種々のモデルの適用性、汎用性を明らかにできた。小規模実験から得られたヘドロ浄化過程を理解するため、アルカリ剤(石炭灰造粒物と鉄鋼スラグ)を用いて現地を再現した次に示す5種類の室内実験を開始した。(実験1)石炭灰造粒物、鉄鋼スラグの機能評価、(実験2)沈降有機泥の造粒物層への堆積機構(堆積分布)、(実験3)造粒物層内に形成される分解環境の制御と生物生息の定量化、(実験4)ヘドロ発電(電子伝達機構)の高度化、(実験5)還元化した有機泥層からのエネルギー回収実験。実験1ではアルカリ剤からのイオンの溶出量と有機泥を構成する物質との化学反応、実験2では間隙内への有機泥の浸入量を数値化できた。また現地で利用できる新たなアルカリ材料としてもみ殻灰、竹灰の組成分析と結晶構造の分析を行い、ヘドロ浄化のための材料としての可能性を見出した。さらに、本技術の東南アジアへの技術移転を行うため、フィリピン、メトロマニラの主要河川であるパッシブ川支流の調査を行い、本技術適用の可能性の検討を開始した。現地調査においてはフィリピン大学との協力関係が構築された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地実験で使用する石炭灰造粒物の輸出に手間取り数ヶ月の遅れが生じた。日本で産業廃棄物として指定されている石炭灰の韓国輸出に様々な手続きがあり、安全確認のため分析等に時間を費やしたためである。
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今後の研究の推進方策 |
5月中旬には韓国での実証実験の実施に目途が立ち、数ヶ月の遅れが生じたが、ヘドロが堆積し生態系が崩れた水域を対象に開発されたヘドロ浄化技術および種々のモデルの適用性、汎用性を確認する。現地実験の実施には問題はないので計画通り実施する。
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