研究課題/領域番号 |
15H05229
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
開發 邦宏 大阪大学, 産業科学研究所, 特任准教授(常勤) (70419464)
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研究分担者 |
黒須 剛 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (70432432)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ウイルス / バイオテクノロジー / 遺伝子 / 核酸 / 蛋白質 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、分担者とタイ王国の保健省医科学局を訪問し、デングウイルスの臨床検体を用いたウイルス診断方法とウイルス血清型(1~4型)の識別方法を学んだ。 具体的には、検体から、培養細胞を用いてウイルス分離を行い、細胞で増幅したウイルスを血清型選択的に免疫染色する抗体を用いて型別診断する方法、イムノクロマトグラフィーを用いたデングウイルス診断法の仕組みとその活用方法を学んだ。抗体免疫染色法は高度な技術は要しないが診断までに時間がかかること、イムノクロマトは他のフラビウイルス属に含まれる他のウイルスとの交差性があるという課題を理解した。 一方で、ウイルスゲノムを抽出した後、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて、遺伝子を配列選択的に増幅できるかをリアルタイムに解析する手法や、TaqMan probeにて解析する手法を学んだ。これらの遺伝子増幅法を用いるとウイルスゲノムを高感度に識別できること、抗体検出法に比べて特異度が高いことを学んだ。しかし、ウイルスゲノム抽出には技術経験と高額な試薬、診断時間がかかること、また臨床現場で使うことは難しいことも理解した。 そこで、当該研究において、デングウイルスの保存配列に相補的なペプチド核酸を用い、デングウイルスを遺伝子増幅操作を用いず、その場で捕獲・可視化することを目指した。まず、アフリカミドリザルの腎上皮培養細胞を用いて、デングウイルスの1~4型全てを培養増幅し、その遺伝子配列を確認した。次に、このウイルスの感染力価をfocus forming assayにより調べた。感染力価の明らかになったウイルスを用い、ペプチド核酸により、標的ゲノムを捕獲できるかを評価した。その結果、標的ウイルスゲノムを捕獲するこはできたが、非特異的な相互作用も認められた。今後、配列選択性の向上を目指して研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
タイ王国内で行われているデングウイルスの臨床検体診断法を習得し、研究室にデングウイルスの増幅システムを構築し、ウイルス感染力価を測定した。また、デングウイルスの保存配列に対して、核酸塩基相補的なペプチド核酸を合成し、標的ウイルスゲノムを捕獲検出するまで研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ペプチド核酸によりデングウイルスを効率的に捕獲すること、さらに高感度に可視化することを目指す。
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