研究課題
嫌気性真核生物の真の多様性を探るために、パラオ共和国の海水湖、マレーシアのPOM池などの嫌気水圏環境の調査を行い、複数の新奇嫌気・微好気性真核微生物の候補を単離し、培養株を樹立した。前年度までに単離・株化した生物を含め、SSUrRNAによる系統解析で既知の真核生物の系統と明確な近縁性を示さないものについて、RNAを抽出し次世代シーケンサーを用いてトランスクリプトームデータを得た。これらをもとに多数の系統マーカー遺伝子からなる連結データを作成しファイロジェノミクス解析を行ったところ、フォルニカータ生物群の系統樹の基部から分岐する新奇生物、ヘテロロボサ生物群の新奇生物、ユーグレノゾア生物群の系統樹の基部から分岐する新奇生物などについて、それらの系統的位置づけを明確にすることができた。さらに、前2者については、典型的なミトコンドリアを失い縮退型のミトコンドリア（Mitochondrion Related Organelles, MROs）をもつに至った生物である可能性が強く示唆されたたため、トランスクリプトームデータをもとに、MROの機能推定を行い、近縁生物種のMROの機能と比較することにより、嫌気・微好気適応に伴うミトコンドリア/MROの縮退進化の一端を明らかにした。一方、マレーシアおよび日本各地にて採集した陸生節足動物から、消化管に生息する嫌気性真核生物であるグレガリナ様寄生虫を単離し、トランスクリプトーム解析のデータをもとに、複数遺伝子連結分子系統解析を行いグレガリナ類の系統進化に関する知見を得るとともに、色素体様オルガネラで機能していると考えられる遺伝子を同定した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件)
Journal of Eukaryotic Microbiology
巻: 印刷中 ページ: in press
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