研究課題/領域番号 |
15H05235
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
木下 泉 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 教授 (60225000)
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研究分担者 |
田原 大輔 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (20295538)
岩田 明久 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (20303878)
馬渕 浩司 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (50401295)
安房田 智司 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60569002)
酒井 治己 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 教授 (80399659)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | バイカル湖 / カジカ類 / 適応放散 / 種分化 / 古代湖 |
研究実績の概要 |
今回,昨年9月での湾央部デルタ地帯,多種の稚魚を採取でき,多くの底生カジカ類の成育場を明らかにすることができた.ならびに,これら水域の物理環境を鉛直的に把握することができた. 浅所で採取したP. kneriiとC. grewingkiiの卵塊からふ化した仔魚を16日間飼育して,扁平石と星状石を採取した.ふ化後5・7・11・14・16日の個体から扁平石と星状石の微細輪紋数を計数すると,いずれの耳石においても飼育日数と計数した輪紋数が一致した.これより,耳石の微細輪紋が日周輪であることを確認できた.また,本種の浮遊期の平均日周輪幅は有意に狭く,本湖の低水温のため,本湖カジカ類の仔魚の成長が遅いことを示唆している.さらに,有明海固有種であるヤマノカミの耳石日周輪も観察し,バイカルカジカ類と比較検討した. バイカルカジカ類は,近縁種の中に体外受精種と体内受精種(胎生種)を有する特異なグループである.2018年度では,本湖の浅所での潜水調査で,卵生の体外受精型カジカであるL. kesslerii,C. grewingkii,P. kneriiの卵保護雄を採取した.また,桁網と稚魚ネットを用いて,沖合性の胎生の体内受精型カジカであるC. dybowskiiの成熟雄を採取した.これら4種の精子の形態と運動性は,繁殖様式によって精子の運動性や形態は大きく異なっていた.体内受精型のC. dybowskiiの精子は体内と同じ等張液でのみ運動性をみせ,体外受精3種の精子は湖水で運動性を持った.精子頭部の形状はどちらも丸型で,その表面積は体内受精型の方で小さかった.一方,体内受精型の精子の鞭毛長は体外受精型よりも長く,精子の遊泳速度も速かった.以上より,これら4種は,精子の形態や運動性が繁殖様式の進化に伴って適応進化したことが初めて明らかになった.
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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