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2019 年度 研究成果報告書

植物の葉における自切の生態的意義と分子基盤

研究課題

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研究課題/領域番号 15H05241
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分海外学術
研究分野 生態・環境
研究機関東京大学 (2018-2019)
京都大学 (2015-2017)

研究代表者

川北 篤  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80467399)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード自切 / 葉 / 病原菌 / センダン科 / サクラ属 / ハクサンカメバヒキオコシ / ムツモンオトシブミ
研究成果の概要

本研究では、主に熱帯に生育する7目11科の植物が、病原菌に感染した葉の部位を局所的に自ら切り落とすことで、周囲への感染拡大を防いでいると考えられる応答を示すことを発見した。この現象は、外敵による攻撃を受けた部位を宿主自身が切り落とすという意味で、動物で見られる自切に類似する。自切が確認できた植物は、基部被子植物のモクレン目から真正双子葉類のムクロジ目、ユキノシタ目、リンドウ目などさまざまな目にわたっており、被子植物にかなり広範に見られる応答であることが分かった。自切を引き起こす病原菌は特定の分類群に限られることはなく、植食性昆虫の食跡や物理的刺激に対しても同様の応答が起こる。

自由記述の分野

植物生態学

研究成果の学術的意義や社会的意義

植物は生態系の生産者であり、植食者や病原菌による攻撃に絶えずさらされている。食害や病害から身を守るため、植物はさまざまな物理的、化学的、あるいは生物的な防衛機構を発達させてきたが、とりわけ病原菌に対する植物の防御応答は、モデル植物や、一部の栽培植物において詳しく研究されているに過ぎす、野生植物における防御応答の多様性は詳しく研究されていなかった。本研究は、これまで植物の防御応答としてほとんど注目されてこなかった、植物自らが葉の感染部位を切り落とすという応答が、被子植物のさまざまな分類群で広く見られることを発見し、植物が従来考えられてきた以上に多様な方法で身を守っていることを明らかにした。

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公開日: 2021-02-19  

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