研究課題/領域番号 |
15H05243
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱田 穣 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40172978)
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研究分担者 |
川本 芳 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (00177750)
田中 洋之 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (20335243)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マカク / 進化地理学 / アジア / ゲノム解析 / ブラマプートラ河 / 系統地理学 / コロブス |
研究実績の概要 |
今年度は雲南省南部、ブータン西部、およびミャンマー中・北部で調査を行った。そこでのマカクの分布パターンから、気候と地理的条件が分散性への外因であり、それらの組み合わせによるルートが見出された。 ミャンマー中部は熱帯サバンナ気候帯域(インドシナ半島では北緯12-25°、タイ東北地方とラオス中南部も)にあり、アカゲザルとキタブタオザルのわずかな地域集団が散在する。一方、その北は温帯湿潤気候帯域にあり、マカク種を含む多くの霊長類が密に分布する。この生息地は雲南省北西部(タンルウィン河西岸の高粱貢山地域)に連続する。インドシナ半島の山脈はサバンナ気候帯と同緯度地域でもモンスーンをうけ、熱帯モンスーン気候帯であり、多くの霊長類に生息地を提供する。これらの山脈は南北に走り、北では雲南省北西部・ミャンマー北部の山地に連なる。霊長類はこれらの山脈を北上し、この北部域を交差点として、東西に分散する。さらにこの交差点地域から西へ分散すると、パトゥカイ山地の北部で、チンドウィン河の上流(ミャンマー側)とローヒット河(東北インド側)とが接近しており、霊長類の分散ルートとなっている。 このような外因に加えて、マカク種それぞれの生息地要件が内因として東西交流を決定する。アカゲザルは常緑広葉樹林以外の植生に生息し、乾燥地も許容する(しかし、ブータンでは山麓の南縁にしか分布しない)。キタブタオザルはある程度乾燥地を許容するが、基本的には温暖な常緑広葉樹林を要求する。アッサムモンキーは常緑広葉樹林を要求するが、幾らか冷涼な気候、傾斜の強い山地・崖・カルスト地形を許容する。これらの要件によって東西交流ではアカゲザルが最も広範であり、キタブタオザルはDibang河(Brahmaputra河の主流)までの分布となっている。アッサムモンキー(とその近縁分類群)は、ヒマラヤ山地沿いにネパールまで広がる。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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