研究課題/領域番号 |
15H05244
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 謙介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80391431)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 薬用植物 / PSM分析 / 生物多様性 / Adoption study / Impact study |
研究実績の概要 |
平成29年度は、博士課程大学院生が2018年2月21日から3月30日までインドグジャラート州に出張し、共同研究者Prof. Lancy D’Cruzと打合わせを行ったのち、調査地であるDediapada町に滞在して周辺の対象村落での訪問調査を実施した。今回は薬用植物の農地栽培について、その導入のための農家側の条件を明らかにする研究(アドプション・スタディ)と、その技術導入が農家に対して及ぼす経済的効果(インパクト・スタディ)の2面を実施することを目的とした。出発前にSTATAを用いてPSM分析を実施した。その上で現地においてカウンターファクチュアルの選定を行ったのち、それらの農家に対して,薬用植物に対する知識、技術導入の受入れに関する意向、また背景となる農家の社会経済的状況等についてのインタビュー調査を行った。現在データを集計中である。 また6月4日から6月9日にかけて、ポルトガルのブラガンサにて開催されたSociety for Economic Botanyの第58回会議に参加し「Consumption of wild edibles by Vasava tribals: Implications for sustenance and conservation of indigenous nutritional knowledge」という題で口頭発表を行った。 また、民俗植物学の国際誌であるJournal of Ethnobiology and Ethnomedicine誌に対象地域の薬草・野草利用の状況についての調査結果を「Consumption patterns of wild edibles by the Vasavas: a case study from Gujarat, India」として投稿し、現在査読中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Propensity score matching分析と、それに基づいた現地でのカウンターファクチュアルの抽出など、研究が順調に進行している。また国際学会での口頭発表や、一流国際誌への投稿など、研究成果の発信の面でも今年度は大きな成果があった。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、29年度に得たデータを集計・分析し、Adpotion studyとインパクト分析についての結果のまとめと考察を行い、結論を出す。またその結果を国際的な経済誌に投稿する。 一方で農地に栽培された薬用植物各種の生育量と、土壌、環境条件との関係について、多変量解析を行って、生育に影響を与える主要な環境要因を絞り込み、それを論文にしてまとめ、平成30年度中に投稿する。
|