研究課題/領域番号 |
15H05244
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
作物生産科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 謙介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80391431)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 薬用植物 / インパクト調査 / 生物多様性 / カウンターファクチュアル / 技術採用 / 所得効果 / 生育環境 / 傾向スコアマッチング |
研究成果の概要 |
インドグジャラート州にて薬用植物の野生採取から栽培の転換を進めている農家の食料生産と競合しない条件不利地での栽培が家計向上に及ぼす影響とその普及条件を解明した。 森林隣地に居住する農家は多様な野生植物を食料・薬用にしていたが、森林採取に多く依存しており栽培化が急務である。代表的な7種について、良好な生育には中程度の土壌肥沃性と排水性が必要であり栽培化に施肥設計を含めることが必要であった。また農家の識字率、携帯電話の所有等の条件の他に、薬用植物の知識が重要で、在来の植物療法士の役割が注目された。薬用植物の小規模栽培は家計の総収入の増加や、賃金労働日数の減少などの有益な効果をもたらしていた。
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自由記述の分野 |
作物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人口増加により食物生産に必須な天然資源である土地・水および肥料原料に対する競合度が高まる中、農地周辺等の条件不利地における、食料生産と資源競合しない工芸作物の生産が途上国農家の生計向上に果たす役割が注目されている。中でも本来野生採取が行われてきた薬用植物の栽培化は種の多様性保護の観点からも重要である。本研究では作物と違い従来あまり注目されなかった薬用植物の農地での生育条件を解明し効率的な栽培の指針を得た。また本技術が農家の生計向上に貢献することを厳密な手法により解明できた。本研究は作物生理生態学とミクロ経済学の本質的な学際研究であり今後の農業開発の学問的取り組みのモデルケースとなる。
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