研究課題/領域番号 |
15H05245
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
作物生産科学
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研究機関 | 名古屋大学 (2016-2019, 2021) 三重大学 (2015) |
研究代表者 |
江原 宏 名古屋大学, アジア共創教育研究機構(農国), 教授 (10232969)
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研究分担者 |
豊田 由貴夫 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (20197974)
内藤 整 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 教授 (40252902)
三島 隆 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (40314140)
板谷 明美 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (70447861)
内山 智裕 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80378322)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | サゴ属 / Metroxylon節 / Coelococcus節 / デンプン / 分布 / 利用 / 生態 |
研究成果の概要 |
大洋州におけるサゴ属植物の多様性と系統関係を5S nr DNA配列に基づいて解析したところ,サゴヤシに次いでM. warbrugiiで多様性が高いことが窺われた。また,MaxEntを用いた解析から,絶滅が危惧されるフィジーゾウゲヤシのリスクを減らすためには,沿岸地と並んで生育適地が存在する内陸において,潜在的適地への移植が保全戦略として重要であると考えられた。気候の変化を踏まえて考えれば,将来的な生育適地は2-4倍になることが窺われた。また,農業形質の比較からは,サゴヤシは髄乾物率,髄澱粉含有率が高いために生産量が大きいことが明らかになり,一方で,成長速度はソロモンサゴで速いことが考えられた。
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自由記述の分野 |
植物生産科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サゴ属植物は問題土壌に適応して多量の澱粉を生産できるため,食料,生物燃料資源として期待される。大洋州では主食,建築資材や工芸品の原材料として伝統的に幅広く利用されてきが,一部地域ではコミュニティーでの情報の伝承が不十分となり,レリクトクロップになりつつあるところもある。また,従来は収穫のほとんどを自然林から得てきたサゴ属資源であるが,今後は,地域資源の保全を前提とした持続的利活用を推進する必要がある。本研究で得られたサゴ属の遺伝的多様性,資源量の把握と将来予測,農業形質に関する成果は,植物保全による資源量の維持,生産の安定化,至適な利用,二次製品の開発方針などの検討に資するものと考えられる。
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