研究課題/領域番号 |
15H05252
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
和田 実 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (70292860)
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研究分担者 |
岩滝 光儀 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (50423645)
菅 向志郎 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (60569185)
平坂 勝也 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 助教 (70432747)
横内 一樹 国立研究開発法人水産総合研究センター, 増殖研究所, 研究員 (50723839)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | メコンデルタ / トビハゼ養殖 / 微細藻類 |
研究実績の概要 |
2015年8月(雨期)および2016年3月(乾期)に、ベトナム・メコンデルタのBac Lieu省におけるトビハゼ養殖池で試料採取を行った。雨期にトビハゼ養殖池(n=2)におけるクロロフィル濃度(ウラニン換算値)は0.1mg/Lを超えたのに対して、近隣のエビ養殖池(n=1)では0.1mg/L未満となったが、乾期では、トビハゼ養殖池のクロロフィル濃度は雨期の10%以下に低下していた。乾期のトビハゼ養殖池のアンモニア態窒素は1-8 mg/L、リン酸態リンは0.04-0.7 mg/Lの範囲にあり、エビ養殖池と比べてアンモニア濃度は高く、リン酸濃度は著しく低いことが示された。雨期のトビハゼ養殖池から優占的な緑藻を分離・株化して、大量培養系を確立した。緑藻株の細胞をナイルレッドを用いて染色し、細胞内に脂質の蓄積を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2015年8月に渡越した際、日本を含む外国からの研究者によるBac Lieu省の水産養殖池への立ち入りが制限されており、当初予定した頻度および規模の調査および試料収集を実施することが困難であった。2016年3月の調査時には、現場への立ち入りがさらに厳しく制限され、研究代表者および分担者はBac Lieu省を訪問できなかった。Can Tho大学における本研究課題の協力者の説明では、Bac Lieu省の行政担当部署の内部事情による一時的な立ち入り制限とされるが、今後の見通しは不透明である。藻類の分離・培養はリッター単位での培養方法を検討し、確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
Can Tho大学本部から、Bac Lieu省の行政担当者へ本研究課題遂行に対する支援、便宜の提供について強く交渉してもらうとともに、これまでに得られた緑藻株を活用して、脂質の蓄積能および機能解析を継続する。また、トビハゼの飼育実験をBac Lieu省ではなく、Can Tho大学構内で試みる他、日本国内でも、他の汽水性魚類をもちいて緑藻株との同所飼育を開始する。
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