研究課題
基盤研究(B)
近年メコン川中流域において頻発する洪水・渇水による被害は、開発成果を一瞬にして破壊し、この地域における健全な経済発展における最大の脅威となっている。また、その中でもタイ東北部は特に灌漑率が低く、気象要因に極めて脆弱な地域である。本研究では将来の気候変動に対する水災害のリスク推計のために、タイ東北部において農業被害関数を推計し、農家世帯生計に対する影響を評価することを目的とした。コメ生産量は雨季前半6~8月の3か月積算降水量との正の相関が高く、農家世帯収入に占めるコメ被害額の割合は近年減少傾向にあったものの、毎年いずれかの県で6億バーツ規模の農業被害が発生していることが示された。
環境水文学