研究実績の概要 |
バングラデシュには,Non-descript Deshi, Red Chittagong, Pabna, North Bengal Grey, Mushigonjという在来牛がいる。これら在来牛は,高温多湿の過酷なバングラデシュ環境に適応できる能力を有している。しかし,モノやヒトのボーダーレス化を伴うバングラデシュの人々の生活様式の変化とともに,これら在来牛の数が減少している。 昨年度までの活動で,バングラデシュ在来牛の保全状況が明らかになった。多くのバングラデシュ在来牛は,いわゆる乳用種やインド由来の牛(コブウシ)との混血が進んでおり,バングラデシュの環境に適応してきた在来牛をバングラデシュの遺伝子資源として保全していく必要があることが明確になった。 本年度,他品種のゲノム解析に加え,混血化が進んでいないNorth Bengal Greyの情報を収集した。幸いなことにNorth Bengal Greyは,ラジシャヒ管区北部において保存されていることが明らかになった。これを受け,ラジシャヒ大学のカウンターパートが,同地を中心としてNorth Bengal Greyの保存を推進していくこととなった。
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