研究課題
本研究は東南アジアにおけるマダニ媒介性動物感染症の流行実態の解明と予防対策の確立を目指して実施する。本年度に実施した研究内容と得られた研究成果は以下の通りである。フィリピンマニラ周辺地域(カラバルソン地方)における牛のマダニ媒介性感染症の流行実態を調べた。フラッギング法によるマダニ採取と計100頭の牛より血液サンプルを採集し、全DNAを抽出した。また、血液については血液塗抹による病原体の確認を行った。その結果、アナプラズマ特異PCR法、バベシア特異PCR法、タイレリア特異PCR法を用いて予備実験を行ったところ、アナプラズマ、バベシア、タイレリアDNAが一部に検出された。血液塗抹についてはアナプラズマ様虫体が観察された。これらの結果により、フィリピンマニラ周辺地域の牛にはマダニ媒介性感染症であるアナプラズマ、バベシア、タイレリア感染症が流行している可能性が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
当初の期待と同程度の進捗および結果が得られており、順調に研究が進展していると考えられるため。
平成27年度の現地調査によって新たに検出されたアナプラズマ・バベシア・タイレリアDNAについてシークエンス解析後、種の同定を行い、DNA診断法の確立を行い、診断キットの製作並びに予防・治療法の確立を最終目標とする。ダニ脳炎ウイルス等については、引き続き調査を行うことにする。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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