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2017 年度 実績報告書

フィリピンにおける牛のマダニ媒介性動物感染症の実態解明と診断・予防法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 15H05264
研究機関鹿児島大学

研究代表者

田仲 哲也  鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (00322842)

研究分担者 安藤 匡子  鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (10466914)
正谷 達謄  鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (70614072)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードマダニ / マダニ媒介性感染症 / アナプラズマ(リケッチア) / バベシア / タイレリア / フラビウイルス
研究実績の概要

[全体構想] フィリピンを中心に東南アジアは近年著しい経済成長を遂げ、日本への農畜産品の輸出も急増している。しかし、この地域における種々の感染症は、家畜の生産性向上を妨げる最も重要な位置を占める。とりわけ、マダニ媒介性感染症による被害は深刻とされ、その実態解明が喫緊の急務となっている。本研究は日本と貿易が盛んなフィリピンにおけるマダニとマダニ媒介性動物感染症の流行の実態を明らかにし、日本の輸入検疫体制強化とフィリピンの診断・予防技術の向上と普及に資することを目的として実施する。
[今まで得られた研究実績] フィリピンマニラ周辺地域(カラバルソン地方)における牛のマダニ媒介性感染症の流行実態を調べた。フラッギング法によるマダニ採取と計100頭の牛より血液サンプルを採集し、DNA並びにRNAを抽出した。また、血液については血液塗抹による病原体の確認を行った。その結果、アナプラズマ特異PCR法、バベシア特異PCR法、タイレリア特異PCR法を用いて実験を行ったところ、アナプラズマ、バベシア、タイレリアのDNAが一部のサンプルに検出された。血液塗抹についてはアナプラズマ様虫体が観察された。しかし、フラビウイルス特異的PCR法を用いたフラビウイルスRNAの検出を試みたが、マダニ並びに牛の血液については陰性であった。陽性サンプルついてはDNAのシークエンスを行い、アナプラズマ、バベシア、タイレリアの種同定を行った。これらの結果から、フィリピンマニラ周辺地域の牛にはマダニ媒介性感染症であるアナプラズマ、バベシア、タイレリア感染症が流行している可能性が示唆された。さらに、牛血清を用いて、ダニ媒介性脳炎ならびにランガットウイルスに対する抗体検出のための簡易的ELISAを行ったが、これらのウイルスに対する抗体は陰性であった。従って、牛がこれらのウイルスに感染している可能性が低いことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の期待と同程度の進捗および結果が得られており、順調に研究が進展していると考えられるため。

今後の研究の推進方策

平成29年度の現地調査によって検出されたアナプラズマ・バベシア・タイレリアの簡易的DNA診断法の確立を行い、診断キットの製作並びに予防・治療法の確立を最終目標とする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] フィリピン大学・獣医学部/カビテ州立大学・獣医生命科学(フィリピン)

    • 国名
      フィリピン
    • 外国機関名
      フィリピン大学・獣医学部/カビテ州立大学・獣医生命科学
  • [学会発表] Molecular detection of tick-borne pathogens in blood and ticks collected from cattle in Southern Luzon Island of the Philippines2017

    • 著者名/発表者名
      Remil Linggatong Galay, Larry Xerxes Capuno, Carina Lianeta, Kristina Andrea Sandalo, Melbourne Rio Talactac, Billy Divina, Masako Andoh, Tatsunori Masatani, Tetsuya Tanaka
    • 学会等名
      One Health 9th Tick and Tick-borne Pathogen Conference and 1st Asia Pacific Rikettsia Conference(TTP9-APRC1)
    • 国際学会
  • [学会発表] The use of laboratory animals in tick rearing and research2017

    • 著者名/発表者名
      Remil Linggatong Galay, Hiroki Maeda, Tetsuya Tanaka
    • 学会等名
      29th Philippine Association for Laboratory Animal Science (PALAS) Annual Scientific Conferenace and Workshop
    • 国際学会
  • [備考] 鹿児島大学 共同獣医学部獣医学科 病態予防獣医学講座 感染症学分野

    • URL

      http://www.vet.kagoshima-u.ac.jp/kadai/V-Infection/sinkoukansen/index.html

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公開日: 2019-12-27  

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